まさに豊穣の秋でした、福島。

ほとんどのところで稲刈りは済んでいて、それはそれでホッとする風景。

今年の福島の米は全量(ホントに全袋!)検査にかけていますので、もしかしたら全国でも一番安心・安全な米かも知れませんね。



地酒屋こだま、15日・16日と連休をいただき福島を訪ねて参りました。

新規の蔵元さん2軒、旧知の蔵元さん4軒を訪ねていろいろ打ち合わせしてきました。本当はお世話になっている蔵元さん全部回りたかったんだけど、日程の関係で不義理してしまったみなさん本当にごめんなさい。



地酒屋こだま TAKE’s ROOM

今回はJRの高速バスで行ってきましたが、王子駅から乗れて喜多方まで直通でなんと3,100円!(早割り)は本当に助かります。時間も9:45に出て14:00に到着と、まぁなんとかお尻の痛みにも耐えられるレベル(笑)高速バスは庶民の味方ですね。



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というわけで、まずは喜多方市桜が丘にある「峰の雪酒造」さんへ。


実は2年ちょっと前、地酒屋こだまOPENに先駆けて一度訪ねてはいたのです。が、僕の目指したい方向性と必ずしも合致せずお取り引きを開始するに至らず(生意気でごめんなさい)この日まで来ていたのです。先日の渋谷セルリアンでの福島酒イベント終了後にたまたまご縁があり息子の健信くんと再会し、頑張っている様子を聞いて再訪を決意したのでありました。


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健信くんは現在33歳(あれ?ごめん、32歳だったかな?)の若きナイスガイ。蔵に戻る前は新潟の麒麟山さんで6年間修行していました。僕が初訪問した2年前はちょうど蔵に戻ったばかりの時でしたねぇ(懐かしい)。静かに語る口調の裏に、経験による裏付けに基づいた熱い情熱をビシバシ感じました。良くも悪くも飛び抜けた個性の薄い峰の雪の酒をこれから徐々に変えていく彼の「まだまだ未知の可能性と想いのこもった酒」を、これから地酒屋こだまでも少しずつご紹介していくつもりです。




そうこうしているうちに峰の雪さんに会津錦の齋藤孝典杜氏が迎えに来てくれて、そのまま会津錦さんへ向います。


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会津錦は今は喜多方市に編入されてはいますが市内からは30分以上かかる喜多方市の外れであり、いまだに喜多方市と呼ぶには抵抗があります。電車も少ないためいつも孝典くんは運転手をかって出てくれる、36歳の優しきナイスガイです(ちなみに彼女なし!そこの貴女、チャンスですよ!笑)杜氏としてももう6年かな、個性的な齋藤正孝社長との名コンビ(?)でどっしりした甘味の個性的な酒を醸しています。


で、いろいろ打ち合わせ、というか時間が無かったので蔵の中も見ずに次の目的地へ(笑)とりあえず、ちょっと寝かせたアイツラを地酒屋こだまオリジナルで11月くらいには発売できそうかな・・・(乞うご期待!)




そして再び孝典くんの車で会津若松までぶっ飛ばし、急いでホテルにチェックインして向ったのは初訪問となる「酒家 盃爛処(はいらんしょ)」 さんへ。今夜は会州一の佳男さん、辰泉の壯一さん、鶴乃江のゆりさんと洋年くん、会津錦の孝典くん、峰の雪の健信くん、廣戸川の松っちゃんが集まって大宴会です。

ここには書けない話なんかも含めていーっぱい話をしました。それにしても会津の蔵元は本当に仲がいい。僕なんかのためにこうして集まってくれる優しい人ばかり。なんせ佳男さん、壮一さん、ゆり&洋年くんの若松組以外は全員ホテルまで取って来てくれてますし(単純に帰れない、という説もありますが・・・笑)。


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お約束の、ゆりさん撃沈の図(笑) はーいゆりさん、起きて起きて。


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盃爛処さん、噂通りのいいお店でした。

料理も地元の素材を使って郷土色もきちんと出してるんだけどすごくさり気ないというか全然気取りがなくて美味しくてリーズナブル。これなら観光客にも地元の人にも人気があるのがよくわかる、そんな柔らかい雰囲気のお店でした。



撃沈したゆりさんを見送り、残り七名は二軒目へ。

僕のわがままで、会津若松でいちばん好きな「ばんげや」 さんへ。


飲んだ飲んだ、食った食ったw

ばんげやさんは変わらない落ち着いた雰囲気で僕らを迎えてくださいました。会津の酒が唸るほどあるのにご一緒した蔵元のお酒をひとつも置いてないのはご愛嬌(笑)相変わらず馬刺しや馬レバー刺しも絶品だったし、〆の地粉を使った高遠そばもめちゃ辛くてめちゃ美味かったぁ♪




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で、ホテルへ帰り撃沈。よく寝ました。

いいお酒、いい仲間のおかげであんなに飲んだのに二日酔いもなく6時半に目が覚めて、いつもの7Fレストランで朝食バイキングを食べまくり(またご飯三杯お代わりしちゃったよ・・・笑)シャワーを浴びてリフレッシュ、まずは鶴乃江酒造さんに向います。



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ま、このお二人は説明不要でしょう(笑)。

会津に来たら一緒に飲まないなんてことは考えられないお二人です。

ゆりさんと洋年(ひろとし)くん、取引先であると共にかけがえのない友人です。


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そんなわけで鶴乃江のお二方とはしょっちゅう会ってるのでいまさら何を打ち合わせって感じなのですが(笑)まぁとりあえず11/12の会(満席でキャンセル待ちです)の出品酒(ちょっと秘密のお酒が多すぎるのでボカシ入ってますw)を決めたり、無駄話したり(おーいw)。あ、毎年大好評の八反錦はお米が確保できたのでタンク一本増やせるそうです。あ、それから23BYでは出さなかった特別本醸造の地酒屋こだまスペシャル(生原酒バージョン)も今期の造りでは出せると思うのでこちらもご期待ください♪




鶴乃江さんをおいとまして、次に向かいますは同じ会津若松の辰泉酒造さん。


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ちょうど収穫を終えた、蔵の顔ともいえる「京の華」がぶら下がっていました。ちなみに右から古い年のもので、一番左の緑がかったものが今年の京の華です。長棹のため背丈が130cm程度まで成長する手入れの難しいお米ですが、こうして見ると年毎に少しずつ長さが違うことがわかります。大正時代から昭和初期までは発祥の山形県庄内地方やこの会津若松でたいへんな隆盛を誇りましたが昭和30年代に効率化を求める風潮と共に一度は姿を消しました。そして昭和55年、辰泉酒造の先代社長が近隣農家の力を借りて復活させ、昭和59年にはついに商品化までこぎつけた、まさに「情熱の米」なのです。

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こうして立ってみるといかに長棹かがわかるかと思います。

京の華から醸された辰泉のお酒は、派手さのないじっくり旨い酒に成長します。数ある地酒屋こだまの扱い酒の中でも僕が特に大好きな味わいなのです。


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辰泉酒造四代目代表の新城壯一さん。いつも優しい笑顔を湛えて怒ってるのをみたことありませんので洋年くんや僕がいつも調子に乗ってしまいますが(笑)酒造りに於いてはめちゃめちゃ頑固でストイックな面がありその意味でも尊敬しています。22年度の造りで杜氏が引退され23年度の造りからは自らが杜氏を務めていらっしゃいますが、実に素晴しいお酒を届けてくれました。


壯一さんと今期の酒造りの中で新しいご提案をさせていただき、たぶんそれは来年の地酒屋こだまスペシャルとしてみなさんにお披露目できるのではないかと考えています。壯一さんの人柄がそのまま表れたような辰泉のお酒に、今期も期待してます。




さて、辰泉さんの前の博労町通りをまーっすぐ歩きます。

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今回は天気にも恵まれました・・・キリッと冷えた空気と青空が実に気持ちよかった。


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はい、ここが次の目的地。

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会州一酒造さん。一度廃業し、19BYから新しい蔵で造りを再開しました。

会津最古の寛永20年の創業ではありますが、今はいちばん新しい蔵です。

当時の1600坪の敷地から今は65坪へ、日本一といっていいくらい狭い蔵で頑張っています。


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当主(は正確には奥さまですが)の山口佳男さん。僕より一回り上の大先輩ですが、この笑顔のまんまの柔らかくて人懐っこいキャラからみんなに佳男さん、よしおさんと親しみを込めて呼ばれています。松本でのイベントがきっかけで仲良くさせていただくようになり、地酒屋こだまにも何度も足を運んでいただきました。


23BYでやっと五回目の造りが終わったばかり、杜氏と佳男さんと奥さまの3人に多少のお手伝いで造りをしているため生産量も160石という超少量生産です。それでも今期はなんとか180石まで増やす計画を立てて新しいことにも取り組み始めます。この佳男さんの人柄をそのまんま写しとったような柔らかい会州一を、これから地酒屋こだまでもみなさんにご紹介させていただく予定です。



そうこうしているうちに廣戸川(松崎酒造店)の松っちゃんが会州一さんに迎えに来てくれました。今回の旅はほとんど自力で移動していない・・・ありがとね、みんな。


お腹空いたねぇなんか食べようよ、と向った先は地元でも有名な「めでたいや」さん。これなんだろう?と頼んだ松っちゃんの前に出てきたものは・・・・・


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で、でかっ!(笑)


洗面器のような器に入った大名エビ入りソースカツ丼に怯む松っちゃんの図w


で、僕はというと・・・・・


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しおタンメンにミニソースカツ丼セット。

ソースカツ丼が全然ミニな気がしないのはきっと気のせいですねw

美味しかったし、二人ともちゃんと完食しましたよ。

でもさすがに夜までお腹空かなかったなぁ(苦笑)



そして東山温泉あたりの山を越えて会津から天栄村へ。移動中、蔵の中、そして売店でたくさんの話をしました。23BYの造りのよかったことや反省点、今期の造りに対しての意見交換などなど。僕がいくら造りのことを少々知っているからといって技術的なアドバイスなんかできませんが、ちょっとしたヒントはいくつか提示できたんじゃないかなぁ、とは思っています。24BYの廣戸川はたぶんかなり進化すると僕は思っていますし、仮にどんなお酒であっても僕は松っちゃんの「想い」を感じてそれを飲み手に伝えていきたいと思っています。



おかげさまでいい旅でした。

今日からまた、気持ち新たに日本酒を伝えていきたいと思います。


福島のみなさん、お世話になりました。今後ともよろしくお願い致します。