この週末も時間を作って、丸世さんで酒造りのお手伝いをしてきた。

お手伝いというと聞こえがいいが、しょせんは「素人」である(笑)

僕のことを「酒造りのできるヤツ」だなんて間違っても思わないで欲しい。



ただ、



そんじょそこらの名前だけのきき酒師さんよりは

お酒の声を聴けるようにはなったと思うよ、きっと。


・・・おいおいたけさん、どこのきき酒師さんにケンカ売っとんじゃwww




参考までに、お手伝い一回目。

もいっちょついでに、お手伝い二回目。




2月9日土曜日、僕はいつものように、仕事をテキトーにうっちゃらかして

朝から手際よく仕事をちゃっちゃとこなして片付けて、新幹線の人となった。



うーん、新幹線車内の正しい風景(笑)


ちなみにこの三光正宗、なかなか個性的で良い酒であった。

このことについてはまた後日、書けたら書きます。


しかしまぁ、この長野新幹線ができてから長野が近すぎる。

いや、便利になったことは評価こそすれ文句を言う筋合いはない。

なのだが、旅の情緒としてはいささか性急なのは否めないであろう。

もともと鉄道マニア(正確に言えば宮脇俊三先生流派の時刻表マニア)

だからして、早ければ良いなどという意見とは対極に位置するのだ。

そこは忙しい社会人、百歩譲ってもやはりバランスは必要なのであって

しかしそれにしても大宮から1時間半では旅情も何もあったもんじゃない。


せめて妥協案を示すとすれば、丸世さんのある信州中野まで直通で

2時間半で結んでくれないものだろうか。←物凄い無茶www

そんなわがまま言う人は新幹線に乗らんでよろし?(大笑い)


土曜日は東京も小雪がぱらついていた。

当然長野も、と思ってたらやっぱりそこそこ降っていた。

歩き慣れた道を辿り、今日は違う方向から丸世酒造店へ。



今回も勝手知ったるなんとやら、とりあえず居間の炬燵に潜り込む。

すると気付いた・・・・・居間にこんなものが飾ってあった。



ほい、拡大。




一回目にお邪魔した後に僕が送った絵葉書(って言うの?笑)だった。

うきゃー!こんな人目に触れるところに!!!(でもちょっと嬉しいw)


この夜は、21時と23時に麹の組み替えと仕舞い仕事をやって就寝。

また来たなぁーという感慨(と湯たんぽw)を胸に抱いてぐっすり眠りました。


朝は7時半からスタートです。まずは米の蒸し作業で一日が始まります。



凄い蒸気!噴きあがる熱い蒸気が蔵を活性化します。




ただいまの蒸気の温度は104.4度(!)あっつーw




蔵の隅々まで蒸気に乗って甘い米の香りが漂っていきます。



この日は麹米に掛米と忙しく、あっという間に午前中が過ぎました。

麹造りの時にひとつ、物凄く感動したことがありました。

それは「好適米と一般米の感触の差」とでも言えばいいのでしょうか。

実は今回の麹は「しらかば錦」を使ったのですが、これがまったく違う!

さばけ(米のぱらぱら感)がまったく別物で思わず「おおおおっ!」(笑)

これは麹になった時に差が出るのも当たり前だなぁと実感しました。



ところでお昼休みのこと、休憩所をちょっと覗くと・・・・・



おおっ、藤沢さんがなんか読んでる。

いったいなーに読んでるのかなぁ・・・・・?



全然気付く様子がないので調子に乗ってアップしてみました(笑)



ふ、藤沢さん、それっ、



僕のブログ記事っ!www



もう、恥ずかしいなぁ~~~(笑)



藤沢さんのことについて、ちょっとだけ書いておきたいのです。


お歳は74歳、なのに筋骨隆々で僕よりも力があります。(凹w)

パッと見は無口で少しだけ怖い感じもするのですが

実は凄く優しくて、笑顔が素敵で、とても気さくな方なんです。


酒造りは20歳くらいからだそうで、初めの5年は諏訪の真澄さん。

その後、今はなき飯山の「白銀」(しろかね)を醸す蔵元に移り、

平成6年頃の廃業まで、最後は杜氏として勤められたそうです。


その後はしばらく酒造りから離れていらっしゃったらしいのですが

10年前に丸世さんに請われて酒造りに復帰、今日に至ります。

冬季以外は農作業をしているとのこと、逞しい肉体にも納得です(笑)


丸世さんの杜氏は関社長なので藤沢さんは「杜氏」ではありません。

しかしこの小さな蔵では物凄く大きな存在になっている、この藤沢さん。

関社長はもちろんですが、僕は藤沢さんの一挙一動から多くを学びました。


「最近は身体が言うこと聞かなくてなぁ」なんて笑顔で仰る藤沢さんですが

できれば来年も再来年もずっと、近くで酒造りを学ばせて頂きたいです。



さて、今期の造りでは純米を2本仕込んでいます。


これが1本目のタンク。(No.15)



ま、いわゆる普通の純米酒ですが勢正宗の看板ともいえるお酒です。



留から数日経過していい香りが上がってました。今年も期待♪



さて、こちらがもう1本のタンク。(No.12)




これはですねぇ・・・・・ちょっと秘密の純米酒です(笑)



留から5日目くらいですか、高泡が立っていますね。

社長、このお酒には僕も注目していますよ!!!



その他には本醸造の仕込(中仕事)をさせていただきました。

結構な量の掛米を使って、その間中ずっと櫂入れをしたもんだから

もうアナタ、腕と言わず手と言わず掌と言わずバキバキになりました(笑)


            ↑

これが仕込み直後、発酵一時停止状態。


これがその数時間後、発酵再開状態。

            ↓


頑張れ本醸造、美味い本醸造に育ってくれよ。



さて、最終日の午後には重大なお仕事がありました。

それが、これ!!!



搾り終えてすっかり圧縮された搾り機ですが・・・・・




・・・・・ん?板と板の間にあるこの黄色っぽい布みたいなのは?




板を一枚一枚はがすと・・・・・なんだ?この板状の袋は?




んんっ?この、横に積み重なったものには見覚えが・・・・・




おおおおおっ!これは、酒粕(板粕)ですねっ!!!


そうなんです。搾り終えた後にはこうして酒粕を剥がす作業があるのです。

これがまた大変なんです。4人で息を合わせて手際よくやるのですが

いかんせん数が多いもんだから時間がかかるかかる。

(しかもその1/4の手際が悪いもんだから余計にかかるwww)

やっと手馴れたかな、と思った約2時間後にやっと終わりました。


ちなみに位置関係はこんな感じでした。



いやー、なかなかの肉体労働でした。

コツさえ掴めれば何とかなりそうですが熟練の技には負けました。


今回、実はお手伝いも3回目でいささか「慣れ」の気持ちもありました。

ところが、そんな気持ちを吹き飛ばすような作業の連続でした。

どんなに簡単な作業でも初めてで完璧にこなす器用さは持ち合わせない。

そんな僕ですからうまくいかず凹むこともしばしばあったのです。

いや、当たり前なんです。できるはずなんてないのですから。

それでも僕は、ちょっと凹んだ、特に最終日は凹みました。(情けないw)



さて、そんなこんなであっという間に2.5日の滞在は終わりました。

これで通算で約6日間の蔵人経験を終えたことにはなる。

きっと今期はこれが最後であろう、そう考えると感慨深いものがある。


造りを通して、とても勉強になりました。

少し傲慢になってみたり、とても謙虚になってみたり、

少なくとも人間的にも成長できたと自分では思っています。



関社長と奥様、そしてあきこさん。

藤沢さん、そしてこごいさん、たがわさん、



本当にお世話になりました。


ありがとうございます。m(_ _)m




来期も必ずお手伝いに来ます。

でもその前に、また遊びに来ますのでよろしくお願いします。



さて、みなさん、

今年の勢正宗にはどうかご注目を。

なんてったって、

この僕の手が加わっていますからね!(笑)