公私共に多忙で、ブログがなかなか書けません。(寂

細々ではありますが、頑張って楽しみながら書いていきまーす♪


さて、長野酒探訪の旅ももう「その6」になりました。

帰ってきて一ヵ月半も経つのに(笑)まだまだ終わりません。

中身が濃くて書ききれないのと、性格のクドさが災いしてますがw

どうかもうしばらくお付き合いいただけたらと思います。



さて、大町ステーションホテルで爆睡した僕。

起きたらまず何をするかってったらお風呂です、お風呂。

そーいえばどっかに「大浴場」って看板があったよーな。

支度して、ひとつ下の階へ行くと確かに「大浴場」の文字が。

しかしなんていうか、今ひとつヒトの気配がない。

ええい、と思い切ってドアを開けた僕が見たものは・・・・・


・・・・・どう見ても4人くらいでいっぱいになりそうな狭い浴槽。


しかも。




お湯、入ってないし(爆




恐るべし大町ステーションホテル。

この件に関してはもう、ノーコメント(笑)


小雨の降る大町駅に向かうと既に山崎さんが待っていてくれた。

まったくもって今回は山崎さんにおんぶに抱っこなのである。

ちょっと遅れてトミさんも現れ、山崎号で蔵へ連れてっていただく。


そういや「山崎さん、山崎さん」とお気軽に呼んでいますが

実は今期の造り(19BY)から杜氏として活躍する、凄い方なんです。

北安の酒は山田和男さんという小谷の名杜氏が造ってきたのですが

今期からは山崎さんがメインで造りに携わるとのこと。

同い年ということもあり普段から仲良くしてくださるのをいいことに、

傍若無人な接し方をしているトンデモなく失礼な自分w

ごめんね山崎さん・・・・・ワタシ今さらもう元には戻れないわ(爆


車で走ること約10分、ついに長年憧れの北安醸造が見えてきた。




山崎さんには笑われるが、感慨もひとしおである。



休日なので、蔵の裏手から入ります。



左手前が洗い場、そして釜場が見えますね。

おおおっここで米洗うんすかぁ!・・・と既に興奮状態の僕(笑)

だって好きなお酒が生まれる場所って興奮しないかぁ?


今年の仕込用のお米たち。「ひとごこち」の文字が見えます。



ここに大きな釜を乗っけてお米を蒸すわけです。


麹室は2階にあるというので、物凄く急な階段を上がって2階へ。

余計なお世話だけどよく怪我人が出ないなってほど急。(笑)

んで、2階に上がってみて驚いた。




・・・・・ひ、広っ!!!


あのですね、縦に走る柱がほとんどないんですよ。

基本的に横に走る柱だけでこんなでっかい天井を支えてる。

その中でも一番圧巻だったのがこの柱。


大正12年8月13日と読めます。時の重みを感じます。



これは麻布(だっけ?w)を干しているところ。

もう広すぎて、野球でもできるんじゃないかってくらい(笑)


そしてもうひとつ、驚くべき秘密がこの部屋にはありました。



わかりづらいと思いますが、床に大きな穴とそれを塞ぐ木の蓋。

この広い部屋に十数か所、この穴が空いているんです。

実はこの穴、蔵人の労力を格段に軽減する叡智の賜物で、

昔は階下の仕込タンクへこの穴から麹米を落としていたんだそう。

2階に麹室があるという非効率な構造をフォローするこの発想!

さすがに今は使わないので塞いでいるそう。(子供なら落ちますw)



そしてこれが麹室の入り口。

急な温度変化を防ぐため、前段に小部屋を作っていました。

聞けばこの部屋も山崎さんの日曜大工作品とのこと。

まったくもって器用な方です。





麹室の内部です。蔵見学が初めてのトミさんが真剣に聞き入ります。

僕は僕で「ああ、あのお酒がここから生まれて・・・」と興奮がピーク(笑)




麹室の隣の物置(昔はここで酒母を造っていたとのこと)で

麹箱や麹蓋の説明をしてくださる山崎さん。

使い方にも独自のアイディアをお持ちのようです。




どーんと並ぶ仕込タンク(ここであのお酒が・・・←しつこいw)


これは別室にあった吟醸などの小仕込用タンクですね。



こんな文字(「底の角」)に、ふっと微笑んでしまいます。



こちらには貯蔵タンクが並んでいます。



搾りはこのヤブタにて。トミさん、感心することしきり(笑)



一通り見学させていただいた後、いくつかを試飲させていただく。

ただでさえ幸せな蔵元見学の中でも最も幸せな瞬間である(笑)


北安醸造のお酒に初めて出逢い、惚れたのはもう10年以上前になる。

「いいずら」という純米吟醸酒、飲んでとにかく驚いた。

包み込むような優しい甘さとスッキリした後口。あの味は今も忘れない。

この特徴はどのお酒にも共通している、北安醸造の目指す酒質だ。

あの時惚れた蔵元に、今僕は来ているんだと思うと心が熱くなる。

いろいろな人の縁で、僕はここに来ることができたのであるから。



蔵の裏手。なんだかホッとする風景。



最後に山崎さんと記念写真を撮ってもらった。

どうして二人して同じポーズなのかは忘れた(笑)


僕はいつも山崎さんにこう問いかける。


「北安大国の個性的な酒を醸す大役を受け継いだことに

 プレッシャーは感じないんですか?」


山崎さんはいつもこう答える。


「うーん、ないね(笑) なんとかなるっしょ。」


それが100%言葉通りとは思っていない。が、まんざら嘘でもない。

この物静かな凄いヒトが醸すであろう今年の酒に、

僕はただ、ただひたすら期待してその時を待つのであります。


山崎さん、いつも本当にありがとう。



<次章、その7でやっと終わりそうです・・・笑>