あまり話したことはないが、僕は昔「テツキチ」だった。
小~中学生の頃が全盛期で、あちこち行っては電車の写真を撮っていた。
テツキチ(あ、これは鉄道キ○ガイの略です)には実はいくつか種類があって、違う分野にはほとんど関心がなかったりする。
例えば僕でいえば「時刻表テツキチ」であり、愛読書は時刻表だった。
少ない小遣いから毎月時刻表を購入し、隅々まで「読んで」いた。「見る」のではなく「読む」のである。
そして暇さえあれば「日本最北端(稚内駅)から最南端(今は沖縄の赤嶺駅、当時は西大山駅)まで最速で行けるルート」やら、もしくは同じ起点終点で「一筆書きで最も長い距離を乗ることが出来るルート」などをひたすらノートに書き込んでいる日々を送っていた。
今思えば「なんとアホらしい」が真面目も真面目、大真面目であった。
というか、今だからこそ「いつかそのルートで旅をしてみたい」と思っている自分がいる。
おっと話が逸れました。そんな時刻表テツキチの僕は「車両テツキチ」さんの気持ちはいまひとつよくわからない。
昔鶴見線に走ってたモハ12がさぁ・・・とか、今度大阪に出張だから新型700系新幹線乗ってみたいなぁ・・・とか、気持ちの何分の一かは分かる気もするんだけど基本的にはあまり興味がないんですね。
とはいえたぶんアチラもアチラで分厚い時刻表を嬉々としながらバラバラめくって訳のわからぬ行程表をズラズラ書き連ねている僕を見たら「アホか」と思うだろうから、この件に関してはおあいこと思うのだ。
前書きが長くなりました。
というか「長野酒探訪の旅」なのになんでお酒の話が全然出てこないの?(笑)
はい、そうなんです。今回は「寄り道編」ということで鉄道の話ばかりでございます。
目的の長野県中野市の蔵元さんへ辿り着くまでの番外編でございます。
そういえば折りしも昨日は大宮の鉄道博物館のオープン日でしたね。近いうちに行ってみたいなぁ。
前日のご乱交の祟り(一般的用語でいうと二日酔いw)を醒ますため、臨時特急「風林火山」車内ではCCレモンがお友達でした(笑)
ようやく松本辺りでなんとか持ち直して、特急しなのに乗り換えて一路長野駅へ。もちろんまだシラフです(笑)
長野駅へ降り立つのは本当に久しぶりです、というか前回がいつだったか覚えてないくらい久しぶりです。
前に来た時は「おお、これぞ正しい地方都市」という雰囲気だったのですが、今回は「とても大きな地方都市」に感じました。
なんかでっかいビルがやたら増えた感じ。ちょっと旅情に欠けますがこれは旅行者の勝手な感傷。
そしてお楽しみの長野電鉄へ向かいます。これはもちろん初めてなのでちょっとワクワクします。
地下に潜り・・・ふーん長野電鉄って地下から出るんだ・・・そこに僕を待っていたものとは。
ロ、ロマンスカー???w
えええええーっ。なんで小田急線っ?www
少し冷静さを失いややヨロメキつつ、ふと右に停まっている車両を見ると。
と、東横線じゃんwww
いやいやすみません、なーんにも予備知識なかったもんで(汗)
なるほど、車両の払い下げってのはよく聞くが目の当たりにすると少々怯むものだな(笑)
まぁしかし、こんなツーショットなかなかお目にかかれるもんじゃない。
ちなみにこの「ロマンスカー」、こちら長野では・・・・・
いいねぇ、箱根の次は湯田中の温泉で洗ってもらえるのか(笑)
そんな訳で、ゆけむりくんではなく元東横線に乗り込みます。
シートを一部張り直すなどの修理はしてあるものの、ほぼ毎日乗っている「あの雰囲気」は健在。
はるばる長野まで来てこの「日常感たっぷり」さはどーなのっ(苦笑)
そうこうしているうちに発車しました。しばらく地下を走ります。
4つめの「善光寺下」の先までは地下鉄になっているのですね。
ちなみに終点の湯田中まで乗ってもゆけむりは40分で駆け抜けますので首都圏に比べると短い路線です。
僕の目的地は終点の5駅手前、信州中野駅です。
単線区間もあり、駅での待ち合わせがのんびりしていて気持ちいい。
ちょっと驚いたのは待ち合わせ電車が入線すると凄く早いタイミングでドアが閉まり発車すること。
一度危うく置いてけぼりを食らうとこでした。あんな早い交換で事故は起きないのだろうか。(大汗)
速からず遅からず、広い空と景色の中を東横線長野電鉄は走ります。
右側には広く深い山々、左側は遠い山を背景に一面の林檎畑が。
なんだか急に「長野に来たー♪」って気持ちになる路線です。いいなぁ。
この電車は途中の須坂止まりなので、ここで乗り換えます。
須坂にも蔵元さんあるんだよなぁと思いながら駅で時間を潰します。
お気づきと思いますが、色々な車両が混在しております(笑)
凄いぞ長野電鉄、あと10年後には往年の車両博物館みたいになって全国から鉄道ファンが集まるに違いない。
須坂ではとてもゆっくり時間が流れていました。
約30分の滞在だったのですが、何をするでもなくのんびりとうろうろと。
都会でこんな待ち時間があるとイライラするだけの僕ですが、本当に気持ちのいい30分。
やはり僕は都会で生きていけるようにできていない人間なんだな、と思ってみたりしました。
さて、電車が来ました。
小布施酒造さんのある小布施を通り、ほどなく信州中野に到着。
着いたー♪という気持ちともうちょっと乗っていたかった気持ちをくるっと丸めて降り立ちます。
中野市、というとある種の感慨が湧きます。
まず僕が生まれたのが東京都中野区であること、それから幼少の頃から毎年行っていたスキー場が志賀高原で必ず中野市を通っていたこと。
今は高速道路の完備でルートもずっと短縮されましたが、当時はこの中野市の豪雪を乗り越えないと辿り着けなかったのです。
とても懐かしく、しかし自らの目で初めて見る中野市。
今日、こうやって訪ねることができたのもきっと何かの縁だと感じました。
さて、もうすぐ丸世酒造店の関社長が迎えに来て下さいます。
番外の鉄道寄り道編はここまで。次回からはまたのんべモード突入です。