大型台風迫る(笑)15日、いつもの荒とよさん主催で、

夏の恒例となったワイナリーツアーに参加してきました。

今回は、栃木県足利市のココ・ファーム・ワイナリー へ。

以前からワイン自体は何度か飲んでいたのですが、

訪問するのはもちろん初めてでした。

ココ・ファームについて簡単に説明しておきます。

福祉施設のこころみ学園に併設されたワイナリーで、
こころみ学園の園生の皆さんがワイン作りを手伝っています。
こころみ学園に暮らす園生は約90名。平均年齢は約50歳。


学園が、福祉施設として認められるまでに約10年、
ココ・ファームが醸造所として認可を得るまでに約20年かかりました。
1950年代、当時、特殊学級の教師だった園長の川田氏が、
親亡き後も安心して生きる場をと私財をなげうって得た土地に
施設を建て、山を開墾してブドウ作りを目指しました。


平均斜度38度の急勾配の南西斜面を切り開き、

初めはたった600本ばかりのブドウの苗木を植えました。
ブドウを選んだのは1年中手入れを必要とする農作物だから。
成長しても労働を知らない赤子のような手をしている彼ら彼女たちに、
額に汗を流し働くことを実感してもらうこころみが始まったのです。

2000年、九州沖縄サミットの晩餐会で、

ココのワイン(スパークリング)が乾杯用に使われました。
また世界的ソムリエ田崎真也氏に、

21世紀に残したいワインと賞賛されるまでにいたっています。


前日まで「これは中止か?」と心配しながらも

早朝8時半に集まった飲兵衛27人(プラス荒とよさん)。

マイクロバス「荒とよ号」の出発です。


ココ


思ったよりも風雨も酷くなく、

これも普段の行いとばかりに9時半には2升の日本酒が空。(笑)

結果的にはこの陽気さが台風をも吹き飛ばしてしまった。

途中、足利では国の指定史跡となっている「足利学校」に立ち寄る。

建物もそうだが庭が非常に美しい。手入れも行き届き気持ちが良い。

ところでこんなのがあった。

ココ

当時の学生の気持ちになって(?)漢字の勉強中。(笑)

みんないつになく真剣な面持ちで試験を受けている。

さっそく僕も挑戦してみた。


ココ

え?結果?73点でした、ははは。

漢字検定2級を持つY葉さんは100点だった。(凄いw)

頭を使ってアルコールを吹き飛ばした28名は、

この30分後にはココ・ファームに到着しました。

まず目に入ったのはこの風景。


ココ


凄い急斜面・・・・・!これが噂の平均斜度38度の南西斜面だったのです。

この斜面からココ・ファームがスタートしたと思うと感慨深い・・・・・。

実はこの斜面、上からそれぞれ異なる葡萄品種を育てています。


ココ


このワイナリーの醸造責任者でもあるブルース・ガットラブ氏は

どうやら非常に柔軟で広い考え方をお持ちの方のようで、

随所に「自由な発想」を垣間見ることが出来ました。

この地域だからこの葡萄、という決まりきった考え方ではなく

常に可能性を追求して何かできないか・・・と考えているようです。

見学を進めていくうちにそれが確信へと変わりました。

ところで台風はこの時間帯がピークでした。


ココ


伝わりますか?滴り落ちるこの水滴。風も結構強かったですね。

今回、案内をしてくださったのは特約店担当の加納さん。


ココ


キリッとしてユーモアたっぷりの素敵な方です。

何よりも「ワインに対する愛情」がひしひしと伝わります。

傘が何度も裏返りながらも(笑)お話して下さいました。


ココ


ヨーロッパの香り漂う(かどうかは不明w)一枚。


ココ

冷房管理された貯蔵庫にて説明を受けています。

ココ
ココ


オーク樽で静かに眠るワインたち。

目覚めた時に飲み手が受ける感動はこの眠りがもたらすのでしょう。

ココ

こちらは天然の貯蔵庫。寒かったけど冬は暖かいそうです。

こちらではスパークリング(瓶内二次発酵)を貯蔵しています。

入った瞬間から「過熟香」が漂っていました。


ココ
ココ

眠り続ける「ノボ」シリーズ。

ノボの由来をお聞きしたら川田園長のお名前「昇」からとのこと。


ココ


テラスの風景。

晴れた日にこのテラスでワインを飲んだらさぞ美味かろう♪

なんせ目の前は例の急斜面。うわー絶対にまた来るぞ!!!

そしてお待ちかねの試飲タイム。

ココ

今回は加納さんのご配慮で「個性的なラインナップ」を堪能。

よく出来た「没個性的」ではない面白いワインを楽しみました。


ココ

個人的に心に残ったことを書き留めます。

☆ケルナー2005

 品種ゆえかドイツワインの手法を感じるがその範疇に留まらない

 酸味と甘味のバランスで素直に「美味い♪」と思わせる

 これは「日本のワイン」と言えるものではなかろうか

☆ロゼ(左から2本目、正確な名前失念w)

 ブラインドで飲んだら間違いなく「白!」という辛口ロゼ

 カベルネと小公子(早生品種とのこと)のブレンドのおかげで

 正統派ながら野性味(が小公子)を感じる意欲的なワイン

☆甲州F.O.S 2005

 基本は白ながら果皮を漬け込んで赤い色を足したワイン

 見た目の面白さもあるがその実とても真面目に造られている

 個人的には素直に甲州を飲みたいと思った

☆ノートン2004

 カベルネがメルローのニュアンスでちょっと野性味を足した感じ(笑)

 複雑味には欠けるが軽快な酸味が飲みやすく美味しい

☆タナ&ノートン2005

 重みもしっかりあって長熟を感じさせるいいワイン

 飲み頃は先と思って聞くと2010年頃からではないかというご意見

 これを1ケース購入して保管する財力と忍耐が欲しい(笑)

お土産は、買えなかった。(苦笑)

こんなこと書くとまた偏屈と思われるだろうが、でも事実だから書く。

僕はこの「足利の地」で生産された葡萄を使ったワインが欲しかった。

ところがその条件を満たし在庫のあるワインはどれも5000円以上。

これは申し訳ないが今の僕の許容範囲を超えているのである。

ココ・ファームではブルース氏の指導の下、各地で葡萄を作っている。

北海道の余市、山梨は勝沼、カリフォルニアではソノマ、

いわゆるコストのためではなく「可能性」の追求のために努力している。

だからこれを否定する気はまったくない、それどころが応援したい。

ただやはり、厳密な意味では「地ワイン」ではないのです。それでは。

その意味で、今回は1本も買うことができませんでした。

在庫があれば買えたワインもあったのですが、これが縁というもの。

きっともう一度来るチャンスを神様がくれたのだと思っています。

宴会とお土産用のワインと楽しかった想い出を積み込み、

加納さんにお礼を言って、バスに乗り込みます。

小雨の中、最後まで見送ってくださった加納さんには心から感謝です。

さてさて、ここまでで充分に楽しんだ我々飲兵衛集団ですが、

実はココからがお楽しみの本番。そう、宴会です。(笑)

今回は唐沢GCのコンペルームを使わせていただくことになりました。


ココ


見学ももちろんですが、コレが楽しみでという方も大勢います。

・・・・・え?ワタクシ? そりゃもう。(笑)


ココ
ココ
ココ

ココ
ココ

ココ


アチコチでえらい盛り上がりです。


今回用意したワインはもちろん全てココ・ファームのものですが

ひとつだけ「特別なワイン」がありました。それがこれ。


ココ


メルローのマグナム・ボトル。

’97に醸造、’00にボトリングした10年の時を経て目覚めたワイン。


香りはやや華やか、色はやや枯れた濃いガーネットでした。

飲んですぐ「おお!メルロー!」な濃厚な味。枯れはまったくナシ。

熟成感は思ったよりなく、重さもさほどではありません。

メルロー単一で複雑味とタンニンには欠けますが飲み易く美味い。

澱もそこそこ出ていましたがそれほど多くはありません。

瓶熟成らしく樽香もなく(弱く)個人的には好きなワインでした。


貴重なものを飲ませていただきました。


宴会も終了間際には台風も何処へやら。

すっかり出来上がった愛すべき飲兵衛たちの記念写真。


ココ


心もお腹も大満足のみなさんでございます。


ココ


さて、帰りますよー♪


普通ならココで「楽しかったねー♪」で終わるのですが、

なんせ筋金入りの飲兵衛集団、終わるわけがありません。


ワインは全て飲み干してしまったので、

途中のコンビニで酒とつまみを買い込みます。(大笑い)


そしてバスの中でまたもや宴会。(笑)


ココ
ココ


そうそう、主催のお酒に弱い荒とよさんも今回は飲んでましたねぇ。

・・・・・あ、あれ?荒とよさん?


ココ


・・・・・・・飲兵衛の引率、お疲れさまでした・・・・・・・