平成17年12月12日 家飲み 渋谷東急 ¥1,631


伝心/純米吟醸酒 (株)一本義久保本店 福井県勝山市

減農薬・無化学肥料栽培五百万石50%精米 日本酒度+4.5 酸度1.6

たけ的想:92点


一本義久保本店HP:http://www.ippongi.ne.jp/ippongi/


前の日に作ったビーフテールシチューがあったので、

実はワインを買おうと思って訪れたのでありました。

ところがいつものように蔵元さんが試飲販売してた訳ですな。

・・・・・が、そう。これが渋谷東急マジック、買っちまいました(笑)。


でもね、なんでもかんでも買う訳じゃないんですよ。

まず、このお酒が気に入りました・・・・・美味いんですよ、これ。

それから、いらしていた蔵元の方がとても感じがよかった。

純米酒もキレがあってなかなか良かったんだけど、

この純米吟醸酒はとても好みに合っていてほとんど衝動買いでした。


もう15年くらい前になるだろうか、2年続けて北陸を訪ねたことがありました。

・・・・・・・もしかしたら間に1年空いていたかも知れない。記憶が曖昧・・・・・・・・

能登は僕の母方の祖父の出生地なんです。窓岩という景勝地の近くです。

自分の足腰がなんとかなるうちにもう一度だけ訪ねておきたいと、

僕が運転手役、妹が世話役で全費用祖父持ち(笑)で行ったのが初めての北陸。

その時の素晴らしさにいたく感動し、当時の彼女と訪ねたのが二回目。


とにかく魚とお酒が美味かった、それが僕の北陸の印象。

当時はまだ日本酒初心者でしたので「菊姫」くらいしか知らなかった自分。

菊姫の加陽菊酒を購入し、「天狗舞」「宋玄」などを覚えて帰った自分。

能登・金沢と美味しい想い出がいっぱいで、ああ、行きたくなってきた(笑)。


その二回目の時に、ちょっと福井まで足を延ばして・・・と行ったのが東尋坊。

そのついでに地元で購入したのが、この蔵元の醸す「一本義」でした。

当時のラベルと感想も保存してありますが、あまりいい評価をしてません。

本当にそうだったのか、僕自身が未熟者だったのか、それはわかりませんが

しかし今は、素晴らしいお酒を醸している蔵元であることは間違いないです。


伝心1

香りがほんのりと・・・なんて言うのかな、吟醸香なんだけど甘く優しい香り。

米の甘味が香りからも感じられます、でも押し付けがましくないんです。

そうそう、純米酒とも共通する爽やかな甘香を感じました。

基本的には淡麗、なんだけどちゃんとしっかりしたボディがあります。

いいバランスだなぁ。舞姫などのくどいとも言える味のノリも大好きですが

この奥ゆかしくも主張がありながら控えめなんだけど目立っちゃう感じ、いい。

雑味もなく、(だいたい50%精米で「吟醸」ってのが偉いじゃない!)

お酒だけで飲んでも美味いけど決して飲み飽きしない、いいお酒だと思います。





伝心2





蔵元さんのお話でお聞きしたのですが、生もとにも力を入れているそうです。

ただ売れすぎて今回は持って来れなかった、イコール売り切れとのこと。

ここ数年、生もとや山廃に関しては多くの蔵元さんが力を入れていて、

共通して言えるのは「造りが上手になってきた」→「誰でも飲みやすくなった」→

「特徴が薄くなってきた」ということが全体的に言えると思っているのだけれども

一本義さんの生もとは「昔ながらの(飲み辛い)生もと」なんだそうで、

これが一部に大人気でバカ売れしてあっという間に売り切れなんだそうです。


・・・・・・・そんなこと言われたら飲みたくなるじゃんかぁ。

それが蔵元さんの作戦に違いない(笑)。見事に計略にかかってる僕でした。