極端な田舎から最近出て来た俺にとって、この電波塔はタダの高層建築以上の意味を持っている。
「東京」と聞いてイメージする物がコレしかない状態で多感な時期を過ごした俺にとって、東京タワーは英雄であり、象徴であり、また基礎でもあるのだ。
だから、東京を出る日まで登らない、と密かに決めてたんだけど、色んなしがらみやプレッシャーから解かれた今、自然に展望台まで登る事が出来た。
初めて上空から見る東京の街は、思ったより華奢だった。
か細く明滅する灯りが、ただただ遠くまで連なって行く。
いつまで東京に居るものか解らないけど、俺東京好きになったみたいだ、って思ったよ。