あらすじ
中東の戦闘地帯で古代エジプトの文字が刻まれた石棺が発見された。発掘に立ち会った米軍関係者のニック(トム・クルーズ)、考古学者のジェニー(アナベル・ウォーリス)らが同乗し、調査のために石棺をイギリスに輸送する途中にアクシデントが発生。ジェニーは辛うじて脱出するが、ニックたち米軍関係者を乗せた輸送機はロンドン郊外に墜落、石棺は行方不明になってしまう。やがて世界を恐怖の底に引きずり込む、想像を絶する物語が始まる――。
監督
観に行って参りました。予告編見て、楽しめそうな作品だと信じておりましたが、
結果はですね、、、
気楽に観に行って正解。
凄いことやってるのに、スベりまくりという感じでした。
う〜〜〜ん、
トム・クルーズでもコケる時あるんだなと、逆に感心。
まぁ今回トムは制作には強く関わってなさそうでもあり、ダーク・ユニバースという企画の展開に面白さを感じて乗っかっただけだったのかもしれないですね。
ダーク・ユニバースとは、1920年代以降大ブームとなったフランケンシュタインや透明人間、魔神ドラキュラなどハリウッドの伝説的モンスターを次々とリメイクし、1つのシリーズとして、やがてはきっと『アベンジャーズ』的な展開となりグーッと盛り上がってくることが予想される大プロジェクトらしい。
出演予定者はこんな感じ。
トム・クルーズとジョニー・デップが並んでるのが凄いよね。
もう久しく、絶対主役しかやらないスターですから。
この二人がやがて同じスクリーンに並ぶとしたら、それは楽しみです。
そこへ向かってこれから続々と作品が作られていくらしいのですが、
1作目がこんな出来だと、スポンサーが降りないか不安です。笑
映画館、座席はスカスカだったのですが、
これもし、テレビシリーズでやったら逆に最高に盛り上がった気がするな〜
テレビシリーズにトムやジョニデが主演したら、それだけで豪華だものね。
それぞれのシリーズをテレビで1クールやった後に、映画作品で再揃いさせたら凄い盛り上がったかも。
それはまぁ、まだこの1作目である『ザ・マミー』を観た後だから言える意見なのだけれど。
でも今からでも、テレビシリーズにしないかな。笑
大人の事情で、そう簡単にはいかないでしょうけど。
さてさて、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』
なにが一体ダメだったのか?!っていう話なんですが、
説明してみますね。
何と言っても全編通して目立つのが、
1つずつのシークエンスの演出、テイストが噛み合わないチグハグ感です。
3人くらいの脚本家がバラバラにシークエンスを書いたものを、
3人くらいの演出家がそれぞれの好みのテイストで撮り、
最後に編集者が、「知らないですよ〜。このまま繋ぎますよ〜」
って、そのままくっつけちゃったみたいな感じ。
アドベンチャー・アクション映画かと思いきや、ちょっとミステリアスだったりエロチックになってみたり、シリアスになってみたり、かと思いきやいきなりワザと外したコメディーみたくなって。
いや外しすぎてちっとも笑えず悲惨なことになってました、、、
そんな色んな「混ぜるな危険!」な要素が、見事に喧嘩しあいながらお互いを打ち消し合い、観ていてこちらの気持ちが繋がっていかない。
きっと本来は、色んな要素がごった煮になりながら、お互いがお互いを生かしあい様な相乗効果を狙ったんでしょうね。
残念なのは、部分的には凄く良いところもあったんですよ〜
復活したアマネットを、何度やっつけても神出鬼没的にゆったりと腰をくねらせながら歩いて登場するところなんて、日本の「のっぺらぼう」の話を思い出して風流でもあり、何度も笑いました。
怖いところが、怖すぎて笑えてくる感じ。
ああいう演出は好きです。
あの演出は、光ってました。
今考えると、もしかしてなんですが、
もしかしたらサイモン・ペグ的な作風、
『ショーン・オブ・ザ・デッド』みたいな作品にしたかったのかも?って気がするな〜。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』に、『ミッション:インポッシブル』のアクションと、あとセクシーでミステリアスな感じをくっつけたら凄いことになるだろう!と。
だとしたら、結果論ですが、
もう恥じらいなくサイモン・ペグに書いて貰ったら良かったですね。
あの人の作品は、アイデア先行に見えて、なんか誰でも書けそうな気にもさせますが、あれはなかなか出来ません。
絶妙のセンスが必要でしょう。
ちなみにご存知ない方の為に、
『ショーン・オブ・ザ・デッド』は必見ですよ。
くだらね〜〜〜〜けど名作です。
サイモン・ペグがまたコメディー上手い!
Mr.ビーンのローワン・アトキンソンの笑いのセンスを思い起こさせます。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』を意識していたと考えると、
この『ザ・マミー』に、ゾンビが時にちょっと笑える感じでいっぱい出てくるのも頷けるんですよね。
でも、、、なんかゾンビシーンも浮いてましたね〜。
[ はい、ここはゾンビシーンです。しばらくゾンビと戦いま〜す。ストーリー進行の方はしばらくお待ちくださ〜い。]
という、、、無駄な待ち時間に感じてしまった。
しかしね、ハリウッド大作でここまでのチグハグ感を観れるのは珍しいことなので、逆に観る価値はあるかもしれません。
1つ1つのシーンの出来はさすがなので、不思議と観て損した気分にはそんなにならない。
細かくは書きませんが、失敗の原因はストーリー、プロットの甘さにもあります。
でもこれは、オリジナルがあるものの焼き直しであり、今後の展開への布石でもあるので、あんまいじりにくいところなのかもしれません。
そう考えるとですね、、、
怖さの感覚ってのは、時代によって洗練されていくものでもあるので、
ホラー映画のリメイクを基にするダークユニバースは、
暗雲立ち込めてるかもしれません。
あんまイジると、これのどこが透明人間?ってなっちゃうし、難しいですが、
もっと練って練って、コントロールされた作品を作らないとですね。
いや〜、映画って本当に難しいものですね。
実際に撮って編集して仕上げてみないことには、自分がどんな映画を撮ったのか、分からないものだそうです。
『頭に描いたものを、その通りに撮れるのはアルフレッド・ヒッチコック監督ただ一人だけだ』
という、ハリウッドの伝説を思い出しました。
そういえば、この間ヒッチコックとお話する夢見たな〜〜笑
感激した夢でした。ではまた。