今回は、Huluで観ました韓国映画 『 レッド・ファミリー 』
2013/韓国 上映時間100分
監督:イ・ジュヒョン
製作:キム・ドンフ
製作総指揮・原案・脚本:キム・ギドク
出演:キム・ユミ、チョン・ウ、ソン・ビョンホ、パク・ソヨン、パク・ビョンウン、カン・ウンジン、
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誰もがうらやむ理想の家族を絵に描いたような一家。だがその正体は、母国からの密命を遂行するために韓国に潜入している北朝鮮の工作員チーム、サザンカ班 だった。表では仲むつまじい4人家族だが、玄関のドアを閉めると階級を重んじ、母国の命令を順守するスパイ集団となる。何かと押し掛けてくる隣人一家を資 本主義の隷属者と見下しながらも彼らに憧れを抱き、互いの階級を忘れて家族的な絆を育むようになる4人。そんな中、メンバーの一人が母国に残した妻子が脱 北に失敗したとわかり……。
僕は韓国映画は『 シュリ 』しか観たことなかったのですが、(古~~~っ!) 劇場で観ましたけれども、あんま肌に合わなくて、それ以来韓国映画は観ていませんでした。
ところがたまたまこの予告編を観て、これは面白そうだな!と。 その予告編がこれ!
すごい面白そうでしょ?
実際、本編も面白かったですよ。 最後まで飽きずに観れました。
着想が面白い。 考えてみたらベタではあるけど、これをコメディーのこんな感じのパッケージでやろうというのが面白い。
でも決して出来が良いとは思えなかった。
とにかく、下手くそ。
不思議なもので、上手さと面白さは比例しないので、 これについては、下手くそだけど面白かった。
脚本も、演出も、編集も、下手。 もっと面白く出来るのになぁ~。 おいしいところいっぱい取りこぼしてる感で溢れてましたね。
この予告編の方が、よっぽど編集上手で面白くまとめてます。笑
役者陣は良かったと思います。 韓国の役者さん、なかなかやるなと思いました。勉強不足でした。
調べてみると、この作品の監督は、この作品がデビュー作。 これを作る直前まで学生だったとのこと。 まぁ無理もない。 プロの役者に演出したのも初めてだったでしょうね。
役者さん、やりずらかっただろうな。と要らぬ心配をしてしまう。
制作・脚本は、キム・ギドクという人。 この方が、この作品を仕切っている。 これまでにたくさん話題作を作られてる実力者なようですが、なにせ韓国映画に興味持って来なかったので知りませんでした。 今後、過去作をチェックしてみようと思う。
過去作のあらすじなどを眺めてみると、どうやら人間や社会の秘部というかアンタッチャブルなゾーンをグぃグぃえぐるタイプの話を語る方の様で、なるほどという気がしました。 そういう作品では、バランス感覚や洗練された演出法よりも無骨なそのまんまな演出の方が活きますから。
と思っていたら、キムさん大人になるまで映画を観たことが無かったということで。 あの編集の下手くそさの原因はそれか~!とも思い当たりました。 (この下手な感じをワザと狙ってやっているとしたら凄いですが。)
この 『 レッド・ファミリー 』は、一応エンターテイメント作品の仮面を被っています。 リアリティーなタッチはなく、寓話的でお芝居的。
「そこで、タイミング良くその人出てくんのかい!」
「お前そこまで、どうやって行った?!」
突っ込みだしたらキリがない。
吉本新喜劇だと思って観るしかないのか???
いやでも、だからこそ無骨な下手くそさは合わない。 もう少し洗練して欲しい。
吉本新喜劇には洗練された型がありますものね。 あの間と感覚でこそ成立する型がある。
これには型などない。
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まぁ深く考えすぎず。
漫画的、コミック的と解釈した方がよいかもしれません。
さてこの作品、ラストは感動!と予告編でも紹介されていましたが、僕は感動は無しでした。 狙いは分かりますが。 むしろ興ざめ。
僕の感覚では、日本で言えば昭和の演出かな。 小劇場的なラストとも言えるかも。
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| 臭くて、押しつけがましい感じです。
そこまでやんなくても、もうあんたの言いたい事は分かったよ!と。
くどい。
大ラスに至っては、その前のくどさのお口直しをしながらも、前のシーンをぶち壊すわけの分からなさ。笑
まぁ~~~下手ですね。
なんかディスってばかりに感じられるかもしれませんが、以外と嫌いではない。 面白かったし、一見の価値はあります。 印象に残る作品と言えるでしょう。
韓国の典型的な家族を堕落したどうしようもない家族として描きながら、 そんな家族にさえ、憧れを抱き歯車が狂いだす北朝鮮工作員の偽家族。
面白い構図です。
考えてみれば、同じ民族で地続きでありながら、全く別の政治体制、政治思想で、いつ交戦してもおかしくない緊張感が続いている状態とは、いかばかりのものであろうか? 日本で生まれ育った人間には、ちょっと解り得ないものです。
こういうことを言うと不謹慎に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、 こういう緊張感こそが、ドラマを作り、良い芸術作品を創るという側面もあります。
だから、「日本が、もぅ2度と戦争なんてするわけないよ~」なんてお花畑にいる風潮が正義であるかの様な緊張感の無い日本では、どんなに頑張ったって世界に通用するような映画作品が出てこないんではないですかね。
世界に通用してる宮崎駿さんなんて、いつインタビューしても危機感持って日本を嘆いたりしますものね。
結局、エンターテイメント作品創るにしたって、ぬるま湯に浸かった様な視点では、本当に面白いものは描けないという事でしょうか???
『 レッド・ファミリー 』 粗削りで下手くそだけど、「観れる作品」です。
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