他人の夢の話なんてどうでもいい。(今回の場合の夢とは、寝ている時に見るやつのことね。)特に、Twitterの呟きで、やたら現実っぽい夢の話をして、最後に「という夢をみた」で締め括られていると、うわー、なんか読んで損した。って気持ちになる。

だけど、何故か自分の夢の話は、よく夫にしてしまう。周りの妻帯者たちに聞いたところ、妻が夫に夢の話するのは、結構多い事らしい。逆のパターンは、私の周りでは全然聞かない。そして、男たちは一様に、反応に困るのだという。まぁそりゃあそうだろ。どこまで行っても、夢の話は夢でしかない。

そんな夢の話を、ここでもしてしまう。自分の中で、ちょっと記録しておきたい夢体験だったからだ。以下の波線内は、昨日みた夢の話だ。

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母に起こされた。目覚めたら、実家の私の部屋。寝ていたかったが、母がどうしても話したい事があるとの事。

居間に行き、話を聞く。母はなんだか挙動不審だ。
「刺した、の。」
よくよく聞くと、実は以前から、家族に隠れて精神科に通っていた。だが、医者がしっかりと話を聞いてくれる様子もなく、診察や、投薬などの治療にも満足できない。イライラが募り、先ほど、ついに診察中、刺してしまった、と。
精神が不安定で、普段からナイフを持ち歩いており、それが凶器に。医者は現在、生死を彷徨っている状態。

私は母の告白に寄り添い、大丈夫、なんとかなると言った。やたら冷静で、ああ、しばらくは事件の付き添いがあるから、日曜日にあるマラソン大会の出場は無理かな〜とか思いながら、動揺する母を落ち着かせた。

庭を眺めると、突然の雨。洗濯物を取り込まないと!と、母と2人でベランダに向かった。
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以上で目が覚めた。やたら物騒な夢だが、私には、かなり気持ちが救われるような、ホッとするような、そんな感覚でみた夢だった。

だって、私から見たら、家父長制のお手本のような犠牲者である母が、女はいつも我慢して周りを支えるのが当たり前だとしている母が、殻を破って色々踏み出せたのだ、と感じたからである。
しかも、精神科に通い、ヤブ医者に不満を持った。これは、私が入社後に数年間経験したもので、深く深く共感できた。
さらには、ナイフ所持。これは現実の話だが、私は入社後、あまりの自分の無能さに耐え切れず、鬱になり、いつでも自殺ができるようにと、包丁を持ち歩いていた。希死念慮が酷い時、いつでも死ねるトリガーを自分で持っているという事は、当時の私をとても安心させた。そんな行動を母もしたのかと、なんだか嬉しい気持ちですらあった。

だから、私は夢の中の母の告白に、割と共感と慈しみを持って接する事ができたのだ。まぁ私は自分を傷付ける事にしか気が向かないので、人を傷付けるという方向自体には、大層ゾッとはした。

が、目覚めてみると、これは単に、自分を母に投影しただけでは?と思った。実際、夢の中で母が語った悩みや、行動は、ここ数年の現実の私だ。

え、だとしたら、私は現実に、誰かを物理的に傷つけてしまったのか?それを忘れて、今、起きてしまったのか?

今通っているメンタルクリニックの先生には、とても感謝している。今の先生に出会えたおかげで、やっと病気の状態が治ってきたのだ。あの先生を傷つけるなんて、あり得ない。そもそも、私は、怒りや不安にかられると、自分自信を傷つける方向に行く。誰かを物理的に傷付けてやりたい、というのは、全然ピンとこないタイプだ。

しかし、夢で見た母は、あまりにも私だった。本当は、現実で誰かを傷つけて、それを忘れて、眠りから覚めてしまったのではないか。そう怯えながら、1日を過ごした。

なんにも変哲もない、今までの日常だった。誰も傷つけていない、無害の私だった。ホッと、安心する。傷付けるのは、自分だけでいい。夢の中でも、傷付くのは、自分だけでいい。そうしたら、ゆっくり眠りにつける。