奇跡のさくらんぼ | みそのブログ

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萌えどころを共有するブログ。諸事情により8割方痛いブログとなっていますが後進のために残してます。限定取扱注意でお願いします。たまに突然創作。植物昆虫の生き様を愛してます。トプ画はSOURIのお隣にある、みそはっぴぃの奇跡の一枚。

唐突ですが、さくらんぼの話。無駄に長いくせに暇つぶし以外にはなんにもなりませんので、ご多忙の方はご注意ください!

⚠️萌えは0%です⚠️

以前我が家には2本の桜がある、と書きました。
いやそれがソメイヨシノとかだったらどんだけ大邸宅なんだよといったところですが、この桜の木、実は2本ともさくらんぼ🍒の木なんです。



あるところにそれはそれはさくらんぼが大好きなみそちゃんという女の子がいました。

さくらんぼはとても"こうきゅう"なので、食卓にあがるのは年に一度か二度。しかも兄弟の多い彼女が食べられるのはせいぜい数粒。お母さんはさくらんぼだけは、他の果物と違って、いつもは食器棚に飾っているお皿を取り出して恭しく盛り付けます。

そうして、目をキラキラさせる子ども達を嬉しそうに眺めるのでした。

宝石のように艶々と光るさくらんぼは、みそちゃんにとってそれはそれは魅力的で、食べてしまうのは勿体ないようでした。

さくらんぼはおんなじようで、ちょっとずつ違います。時々双子になっているの、小さな赤ちゃんがくっついているの、先の方が白っぽいの、真っ赤なの。でもでも、色々あるけど、どれも艶々としてとっても甘くて美味しそう!!

しかしそうしてウットリと眺めていると、意地悪なお兄ちゃんが「食べね〜ならちょうだい!」と手を伸ばしてくるので、食べられてしまわないよう、しっかり見張っていなければいけません。うっかりトイレにもいけません。

でも、どうしても一口で食べてしまうのは惜しいのでみそちゃんはさくらんぼの皮を歯で剥き、皮と中身と、二回に分けて味わうほどでした。

いつかお腹いっぱい、さくらんぼを食べてみたいな。お庭にさくらんぼの木があって、毎日学校に行く前に何個か摘んで、食べながら通学できたらなんて素敵なんだろう。

そうだ。仲良しのあの子にもいくつか分けてあげてもいい。そしたらいっぱい笑って、いっぱい喜んでくれるかな。種の飛ばしっこをしながら、学校まで行けたら、きっと楽しいに決まってる!

少しくらいあげたって大丈夫。だって、さくらんぼは、まだまだ木にいっぱいなっているんだから、、、。



そんな彼女は大人になっていくらでもさくらんぼを爆買いできるし毎年さくらんぼ狩りにも行けるようになりました。

家族が増え、家をたて、彼女はお皿の上のさくらんぼではなく、お財布の中のお金を見張ってないといけなくなりました。気をつけないと、すぐになくなってしまうのです。

そんなある日。

ふと訪れたフリーマーケットで目に入った一つの苗木。小さな名札には"佐藤錦"と書かれた文字。

その途端、あの頃の思いが鮮やかに蘇りました。

大好きなさくらんぼが、お庭の木にたんまりあって、毎朝いくつか摘んで学校にいくの....

こうして勢いだけで買ったさくらんぼの苗木を早速新しいおうちの小さな庭に植えました。場所はもちろん、毎朝子ども達が通る門扉の脇。

植えただけで満足したアラフォーみそちゃんは毎日家事に育児に仕事に大忙し!しばらく放っておきました。

そして数年がたち。

初めて、花芽をつけたのは植えたのがいつだったか、忘れてしまった頃でした。さくらんぼの桜は、街中で沢山咲き乱れる桜と何一つ変わらない、薄桃色の可憐な花でした。

(今年3月31日撮影: 開花するようになって5年ほど)


そしてサヤサヤと綺麗に散ったあと...残ったのは可愛らしい艶々した翠のまあるいさくらんぼの赤ちゃん。


しかーし!

あれあれ?なんだか元気がありません。シワシワと縮んでしまい、そのまま黄身がかった茶色になり、なくなってしまいました。




....そうなんです。さくらんぼは自家不和合性といって同じ種類のさくらんぼの木では受粉しないのです。


その事に、最初の佐藤錦を植えてしばらくしてから気が付いたみそは、なんとか受粉させてみたいので、色々調べました。


さくらんぼ農家は受粉のために昨年度のうちに花粉を採取し冷蔵保存して人工的に受粉させているときき、一般販売していないので電話でさくらんぼ農家さんに直接問い合わせしてみました。するとなんと◯万円もするという話じゃあありませんか!


そりゃあそうです。さくらんぼ農家さんにとっては命のようなもの。しかし、どう考えてもそれだけ払うなら、それこそさくらんぼ爆買いできます。そして、アラフォーになったみそちゃんには"お財布の中を見張る"という大切なおしごとがあるのです。


それでもどうしても"通学前にさくらんぼを摘む"という夢を、子ども達が小学校のうちに叶えてみたい!


という事で、佐藤錦の隣に"ナポレオン"の苗木を植えることにしました。そして待つ事数年。いよいよ、待ちに待ったその春がやってきました。ナポレオンの花が咲いたのです!!












....佐藤錦の花が散った後に真顔










笑い泣き






そう、実はさくらんぼは開花時期が微妙にずれてしまうんですね〜。佐藤錦の花をとっておいて、ナポレオンに受粉させてみたこともあるのですが、枯れた花は駄目なようです。何か特別な技術があるんでしょう。

ナポレオンの木がまたまだ小さくてうまく花が沢山つかないので確率が低すぎるだけなのかもわかりませんが。

という事で、我が家のさくらんぼの木2本はただただ花を咲かせ、そして散っていくのみなんですが。実は時々、ほんの一つ二つ、さくらんぼが成ることがあるんです!!自家受粉したのか、虫がどこからか花粉を運んでくれたのか....。

それを我が家では"奇跡のさくらんぼ"と呼んでいます。

奇跡のさくらんぼはとてもとても貴重なので、皮と身を分ける、なんてものではありません。包丁で4つに分けて食べています。食器棚から出してきた、ロイヤルコペンハーゲンの小皿に乗せて....。目をキラキラさせる、制服を着た子ども達を、ニコニコ眺めながら。



これがみそ家の"奇跡のさくらんぼ"の話でした🍒


(Cr.Uppoompat)

ご静聴ありがとうございました〜🍒







👇このお話に、ちょっと似てるかもって、今思った。