好ましくないと受け取るべきか、競争がしやすいと受け取るべきか。
障害者採用の就職・転職市場に出ている人の多くは、障害者側の思いに反して最低賃金さえ貰うにはふさわしくない水準なのかもしれません。

私が障害者雇用1社目にいた会社は下記2点の特徴がありました。
(1)就労移行支援や就労継続支援に任せず自前で育てるべきと考え、そのためのチームを作っていた
(2)精神障害者が雇用義務に組み込まれる前から、身体障害者ばかり雇っていては雇用率を達成できないと考えて比較的早期に発達障害者の採用を始めていた

端的に言うと
「成長が見込めれば即戦力じゃなくてもいい」
「既に求職者として増え始めていた発達障害者にも門戸を開いていた」
と言えます。
その会社の採用担当者でさえ
「合同面接会で実際に20人くらいと会って話してみても、次の選考に呼ぼうと思えるのは1人2人というくらい」
「だから友人知人で働けそうな障害者が居たら積極的に紹介してほしい」
と話していました。
書類だけ見ての判断ではありませんよ。実際に会って話をしても魅力を感じられないということです。


また、私が転職活動をしていた時に在職中の仕事の都合で面接時間を遅らせて貰えないか事前に電話したことがあるのですが、先方の採用担当者は「何の連絡もなく面接予定時刻に遅れて来る障害者が珍しくないので、連絡を貰えることは凄く助かる」ということを言っていました。

「『大人の』発達障害」や「アスペルガー」が悪い意味でブームになり始めて間もない2012年。
私は広汎性発達障害の診断を受け、障害者雇用も視野に入れた就活を始めました。

その時に障害者雇用求人に応募したのは約20社で、育成型雇用をやっている外資IT企業1社以外は内定獲得どころか最初の選考さえ通れませんでした。

英語が得意なわけでもなかったですし、ITとは無関係の学部でした。選んで外資ITの道に進んだのではなく他の会社から全く見向きされなかった結果でしかありません。ただ、その偶然入った先が良い会社で、今につながっています。

 

旧帝大ではないながらも国立大学を卒業した私の障害者雇用経歴の入り口は、月給18万円の契約社員という待遇です。

「障害者雇用でも発達障害者なんて採用する会社あるわけねーだろ」
「発達障害者は就職できても差別される」

そんな声をよそに、私は十年以上3社にわたってハズレを引くことも無く、覚めない夢を見ているのでしょうか。


健常者や定型発達の障害者でも発達障害の私に親切に接してくれますし、

正社員の人達が契約社員の私を見下すような言動をすることも無いですし、
障害者社員にとって学びが何も残らないような雑用押しつけみたいなことはしない方針と言ってくれてるし実際にそうなってると感じますし、
SNSでの健常者(?)が好んで言う「障害者は仕事を監視してなきゃいけない」なんてことも起きてませんし、
実際にCOVID-19パンデミック時には完全在宅勤務が認められてましたし、

会社としても契約社員の契約で待遇の差はあれど「オフィス内の◯◯は正社員しか使っちゃ駄目」みたいな理不尽なルールを設けることもないですし、

「助成金の支給期間が終わったら用済み」とばかりに2年前後で雇い止めにすることも無いですし、

最低賃金から3割以上は多い給料を出し続けてもらってますし、
転職も合わせ昇給を実現して障害者雇用の世界に来た当初の2倍以上稼げてます。

「フルタイムで働けだなんて障害者雇用なのにハードル高すぎ」と嘆く精神発達の障害者の意見は何度も見聞きしますが、私自身も同僚の精神障害者.発達障害者も基本的にフルタイムで問題なく働けてます。


障害者雇用事例でありがちな社内便は障害者ノータッチでおそらく派遣社員、
オフィス内清掃も外注で、清掃を請け負う会社のユニフォームを着た方が作業しています。

会社全体的に固定電話が無いので事務職でも電話応対・電話の取り次ぎをすることも無いです。
障害配慮ということではなく元々がチャット多様の文化なので、会社側にとって負荷が生じること無く、私にとっても都合のいい「メモを取る努力をしなくても指示が記録に残る」のは当たり前の物となっています。

障害者雇用で働く発達障害者の最頻値や中央値がどういった水準なのか統計調査などが出る度に関心を追って見てますが、それはそれ。私は私。
私の生活がその範囲内で縛らてたまるか、少しでも良い生活を送ってやると考えています。

 

「自分は健常者と同等に働けるのに『障害者だから差別されて』最低賃金並の給料しか貰えない」と心の底から思ってる人がいましたら、是非これまでに私が渡り歩いた会社に入ってほしいですね。

障害者手帳を持つことのメリットとして、都営交通の無料乗車券を上位に挙げる人が世の中にはいます。

身体障害者と知的障害者には「都営交通無料乗車券」、精神障害者には「精神障害者都営交通乗車証」という物があります。


しかし、手帳を持つことのメリットが数ある中で、上位に入るほどの物ではないというのが私の感覚です。

 

 

 

この交通券は障害者手帳を持っていれば誰でも交付してもらえますが、

家賃の安い多摩地域に住んでいると、ほとんど利用機会が無いのです。
 

私の認識では、都営交通の大半は東京都の中心部にしか無く、多摩地域では花小金井〜青梅周辺を繋ぐ都営バスが通っているくらいです。

 

 

私が都民になった当初に住んでいた多摩地区某市在住時代には、JRと民間の路線バスはありましたが、都営交通は生活圏に通っていませんでした。(通勤定期で中央線に乗って新宿まで出れば都営地下鉄に乗ることは可能ではあるのですが、休日にそんなに時間をかけて新宿まで行って、そこから更に都心部まで入っていく気は私にはありませんでした)

 

都営交通無料の恩恵を受けられるようになったのは、職場に恵まれて収入が上がり、割と都心に近い場所に住めるようになってからです。今では感謝しています。