長谷川洋三の産業ウォッチ 
元東芝エンジニアの「告白」:設計当時津波は前提になかった
2011/3/17 11:40


「東京電力の福島第1原子力発電所を設計した当時は、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の設計のコピーで津波は前提になかった。その後日本で独自の設計をするようになり津波を前提に設計するようになったが、想定規模は今回(推定最大10メートル)よりもはるかに小さかった」
  「耐震設計でもマグニチュード(M)8.0以上の地震は起きないことを前提にしていた。今回の地震の規模(M9.0)はこうした前提をはるかに超えていることに驚いている」
元東芝の原子力事業部門のエンジニアで福島第1原子力発電所1、2、3号原子炉の冷却水系統のプラント設計に携わった小倉志郎氏(69)は2011年3月16日、東京都内でNPO法人原子力資料情報室が開いた記者会見で建設当時の状況をこう説明した。


福島原発は日本で事実上初の原子炉設計

3月11日に起きた東日本大震災で被災した東京電力の福島第一原子力発電所は1971年3月に運転を開始し6基の沸騰水型原子炉を備える。この原子炉はGEが1970年代に製造した沸騰水型原子炉「マーク1」で、その後日本では沸騰水型原子炉は東芝と日立製作所が基本設計を引き継いで独自開発を進めた。

「福島原発は日本で事実上初の原子炉設計とあって知識に乏しく、耐震設計基準についても判断できなかったと思う。阪神大震災でこの基準でよいか確認したが問題はないという結論だった」。小倉氏はこう指摘した。

世界最大の104基の原発が稼働している米国ではGEの同型の原子炉23基が運転中で、米原子力規制委員会(NRC)は沸騰水型原子炉の専門家を日本に派遣するとともに、GEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は14日、「あらゆる技術支援を顧客である東京電力と日本政府に提供する」と訪問先のインドで記者団に述べた。