スンマセン。

色々がおっつ(追いつき)きません。

日々の記録はまったくもって、後回しです。

雨が降れば少しは今のPCの前に座れるのですが…。

 

 

この日、早朝からの鵞流峡での作業を終えたあと、向かったのは飯田市上村にある「しらびそ高原」。
この場所を会場に1泊2日で行われたのが、国立科学博物館主催の自然観察会でした。

初日は午後1時からという事で、宿泊する「ハイランドしらびそ」にて受付とチェックインを済ませ建物前へ。

 


集われたのは関東圏から中京、そして関西の在住者も!

 

 

森林インストラクターですが、今回の観察対象である苔や地衣類に関しては全くの素人。

広く浅くの知識程度ですので、いったいどんな事を学べるのか興味津々。

 

 

で、

 

みんないきなり地表へと視線を注ぐ(焦)

 

 

自分も地表に視線を落とし、ルーペで観てみた

んおっ ナンダイコレ…

同じコケだに、何だか違うもんがヒョコヒョコ伸びとる。


 

コケに関して講師を務められたのは国立科学博物館 植物研究部 陸上植物研究グループの樋口さん。樋口さんからは、こうした講座において説明するにあたってのアドバイスも頂きました。

 

「参加者が多いと説明した種か『明確でない』可能性がある」

そこで…

①採取するのではなく、写真を撮影する

②識別できたら名札を差す

③名札に示した種の解説板を置く

 

なるほど… 

また、

「不審がられないためには、腕章は大いに効果がある」

 

大いに参考になりました。

自分で森林を案内する際、参考にさせてもらいます。

 

 

ハイランドしらびそ前の広場にあったのはこの

 

雌雄異株のコケ

 

ウマスギゴケ

 

近寄って、さらに拡大して観察する事で判る特徴。

こうして写真+解説があるといい。

 

 

 

 

続いて展望台へと登ります。

 

展望台からは南アルプスの名峰の数々が

 

 

数々は?

 

 

あれ?

山でなく、そこに注目!?

 

 

コンクリートの説明板が経年劣化により、内部のコンクリートがむき出しになった部分に

 

このコケ

 

 

 

ネジクチコケ

 

 

嬉々として見入る参加者の皆さん

どうも、この信州の奥地まで来られるだけあって、コケ&地衣類に関しては「専門家」や「マニア」の皆さんのよう。参加者同士で話しておられる内容にもはや付いていけず…。

 

 

地衣類の解説をされたのは大村さん。

大村さんからはまず「コケと地衣類の違い」について

「まず色が違う、地衣類は灰色っぽい。そして菌類の仲間だが、キノコと違って藻類と共生している」

 

また、ルーペの使い方についても

「ルーペは10~15倍を使う。まず顔に付けて見たいものにそのまま近づく、そして片目で観るのではなく両目を開けて集中する」

 

おお 確かに… こうすると良く見える。

 

なお大村さんはその場で特徴についてイラストにて表現されてました

こんな感じ

 

 

今はこの姿だけど、雨に濡れると替わるものも。

 

これはセンシゴケ

 

名前の由来である穴が開いとるに (穿刺苔)

 

そいで、今回の講習にて最も印象に残り、シッカリ覚えた

カラクサゴケ

 

名前の由来となった唐草模様(見えんか … ん?? 違うコケのような(汗))

 

「腋毛」と評された

ハリガネモリ の 仲間

 

確かにモジャモジャですなぁ

 

なお、地衣類が付きやすい樹皮を持つ樹種は、カンバ類(シラカンバ&ダケカンバ)やブナなどがある事を教わりました。

 

 

そして、遠山森林鉄道の解説に耳を傾けているのではなく…

 

後ろの貨車に積まれた丸太の

コメバキヌゴケ

 

 

 

曲がっとるに…

実はもうこの辺りから、混乱開始。

識別困難に陥る

 

でも

これは特徴あった

 

オリーブゴケ。

 

しかし参加者の熱量が高い!

メモをとるのは当たり前、ルーペを使ってじっくり観察

デジカメで接写! 次々と飛ぶ質問と意見交換。

 

 

そんなに歩かんうちに再び

皆地表に

 

 

喰らいつく(焦)

 

 

確かに良くみりゃ、ウマスギゴケでない!

 

あ゛ー

言われてみれば違いが判るが、

言われにゃ判んない(焦)

 

 

えっ?また違うの生えてるの??

 

なになに

 

こっちは開いてて

 

こっちは閉じとるんですね

 

はっ?

これは違う

 

コバノスナゴケ

葉が小さいってことですか??

 

 

??

もはや、スナゴケの一派としか自分にゃ識別…も 怪しい。

 

 

これも違う種だ…

 

ミヤマスギゴケ

 

 

うっすらとスギゴケの類は、たぶん葉が杉の葉っぽいところから来とるんだな程度。

 

 

もはやこの段階で気持ち的にはこっちへ

コケ観察中にすぐにみっけた

 

ノウサギの糞。

かなりの量がコロコロ。

 

まんだ行きますかー

途中にも幾種類かのコケ&地衣類があって、渋滞して進まん

 

登ったらもうこの状態

あわわわ

 

もはや付いていけません(泣)

 

しばし伊那山脈を眺め、小川路峠はどこか目を凝らす。

 

ここで時間となり、一旦解散しましたが…

 

自習時間となって、多くの皆さんは幹や地表に喰らいつく。

 

自分は

落ちてた獣の毛に興味津々

 

ノウサギの毛ですかね。

何で抜けたのかは謎でした。

 

 

その後

今回の観察会に誘って下さった方らと周辺を散策。

蛾と鳥類がそれぞれ専門のお二人ですが、

 

 

植生にも詳しく、興味深い話を色々と伺う事ができました。

(初めて見た白い花をつける「アズキナシ」)

 

 

中でも、シカの食圧が与える植物への影響については

 

この怒りを吐き出さんばかりに棘を激しく付けたタラノキを例に

「食圧が強いから棘を多く付けたのではなく、 多く棘を付けたタラノキだから残った」

 

あー なるほど。

そういうことか。

 

ただぼんやり観ているだけでは解らない

 

一面を観るだけでなく、様々な要因も合わせて観察する事で見えてくるものがある。

そう気づかされました。

 

 

部屋に入って少し休んでから夕食、

そして19:30から2時間みっちり

ハイランドしらびそ2階の大会議室を使っての講義(!)

 

 

おお 地元飯田の偉大な先人、菱田春草も紹介してくださるとは(泣)

 

大村さんからは、何故ここ信州飯田の上村にて講座を開催する事になったのかのキッカケから、

飯田美術博物館との縁などを冒頭に説明。

 

その後、「地衣類の名前を調べる」をテーマに講義。

「全てを正確に同定するのは『まず無理』であることを知っておく」

また

「目で見て解るものと解らないものがある」

等々。

 

「苔むす」とはどういう事なのか

 

苔むす繋がりで

なんと、君が代に出てくる『さざれ石』の実物まで…

 

ただ視覚と聴覚だけでは飽きがちな講座も、こうして実物に触れられる「触覚」もあると印象が全然違うな…

 

そしてお楽しみの

かるた大会!

 

なかなか熱中しました

これがいいのは

 

負けじと覚えられること

それぞれ特徴的な部分の拡大写真

 

 

結果は惨敗

 

よくみりゃ

「 あ ほ 」

 

参りました~

 

 

カルタだけでなく、全員に

(コケ図鑑はじゃんけんで勝った!)

 

 

タマゴケのミニコケリウムまで!

 

部屋に戻って日付が替わる頃までしっかりと様々な話をお聞きできました。