上郷での現場調査の際

 

見上げれば木製の電柱。

その番号札から、上郷町の頃の有線放送のために建柱されたものと思われた。

 

表面は雨風に晒され、ひび割れていたが

そこにすっくと立ち続ける姿は、その役割を終えても存在感を示し続けていた。

 

この背後はやがて住宅が建つ。

おそらく無くなってしまうだろう。

 

願わくば

この場所の新たな主人が、この電柱を気に入って残し

風景の一つとして愛し

それでも抜かなければならなくなる時が来ても

庭の植樹枠などとして使い、朽ち果てる時までこの電柱、いや樹を活かして欲しい。