034 遊湯 2015.9.19 | 京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都銭湯巡り〜You & Me OK?〜湯浴み桶

京都市内に現存する庶民の味方「町のお風呂屋さん」を巡って紹介します。ぜひ温まって下さい。

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本日は地元 山科区にある遊湯さんです。
山科区とはいえ自宅からはちょいと離れておりますのでこの日もクルマで向かいます。

そもそも私が銭湯巡りをしたキッカケは、自宅から徒歩圏内にあった三軒の銭湯が全て廃業されたことにあります。
そして遊湯さんもご多分にもれず近く廃業されると聞き及び、急ぎ訪れたという次第です。

自宅からは渋谷街道を西に走り、北花山の手前を北に上がったところにあります。住所は西野八幡田町ですが、すぐ北には御陵血洗町という町名があります。

、、、なんとまあ!
おどろおどろしい町名!

一説によりますと、その昔源義経が自分を馬鹿にした男の首を刎ね、血の付いた刀を池で洗ったことが由来だと言います。
これが事実なら義経は気が短い人だったようです。「鵯越の逆落とし」も「八双飛び」も気の短さの表れかと思うと、妙に納得できますね。

また少し北西にはホッパラ町という、珍しくカタカナ表記の町名かあります。この由来は近くに処刑地があり、その遺骸をその辺りの野原を掘って埋めたので掘原町と言われたらしいのです。

そもそも渋谷街道も死人谷(街道)と呼ばれていたのがなまったものとの説があります。

人生、知らぬが花よ…
と言いますが、知らなくても良かったぁ
と思うことも多いのも事実ですね。

それに引きかえ、知ってて良かった!
知らなかったら損をすると思わせるのが
本日の銭湯 遊湯さんなのです。
何故って?それはおいおいご紹介します。

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間口の広い堂々の店構えです。
お店の向かい側には広めの駐車場も
完備されています。

暖簾を潜ると下足箱が並んでいます。
回数券を出して入場しようとすると
番台ではなくフロントのお兄さんが

「貴重品あずかりましょか?」
「脱衣所で鍵かけるのでよろしいわ」
「うち、脱衣所に鍵ありませんよ」
「……?」
「籠を棚に入れるだけですねん」
「…ほな、お願いします」

てな掛け合いがあって脱衣所へ。

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成る程、鍵掛りません。
そこにキーがつかなんだ…うまい!

脱衣籠の棚数は全部で45個もある充実ぶり。これが全て埋まることは想像できませんが…
鏡も二面をフルに使って大きく見やすく、脱衣所そのものが広く感じます。

      そんなことより、なによりも!
      ここ遊湯さんの一番の特徴は!
  「錦鯉の泳ぐお風呂さん」
       なのです!!!!                                                                            
      
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脱衣所からガラス戸を透して見える
長い渡り廊下の横には露天風呂。

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明るくて開放感があります。

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そしてその壁には錦鯉の泳ぐ水槽。
ついつい自分が鯉になったかの如く
泳いでみたくなるほどの広さです。


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浴場の見取り図は大体こんな感じです⇩

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ミストサウナは照明が暗く
目が慣れるまで少し時間が掛かります。

ん?あるべきものがない!
既にお気付きかと思いますが
ここには水風呂がないのです。

浅風呂、深風呂は良しとして
洗い場が10箇所しかありません。
脱衣棚が45もあるのに比べると
ちょっと少ないですね。

それもこれも露天風呂にスペースを取り過ぎた影響なのでしょうが、それを差し置いても楽しめる銭湯であることに間違いはありません。しかも銭湯といえばほとんどがタイル貼りなのですが、ここでは石板が使われおり温泉情緒が味わえます。

風呂上がりも充実しているんです。

二階に上がるとなごみと名付けられた休憩所があります。

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手前にテーブル席が二つ、右手には六畳ほどの和室に座敷机が四つあり、メニューも充実しています。「冷たいビール❗️」といきたいところですが、クルマで来ている関係上今日のところはコーラで辛抱しましょう。

帰り際にフロントのお兄さんに聞きました
「閉めはるんですか?」
「ハイ」
「いつ?」
「まだハッキリとは…」

          知ってて損のない
          行ってて損のない
          遊び心満載の遊湯

      まもなく廃業
      お急ぎを…






【遊湯】
京都市山科区西野八幡田町12-6