新年度、4月になってしまった。
ほとんど月一程度の更新しかここのところできていないが、
こうしたきっかけでもうまくとらえて、またよしなしごとを語っていこうかと。
いくつか棚上げのテーマはあるけれど、
本日はちょっと空を見上げてみようかと。
英語の拙さによる誤用や和製英語で出会う変な表現。
いまさらあげつらうまでも無く氾濫し、
ひとうひとつを指摘しているとキリが無いけれども、
その代表例として今日はこの言葉を話の種にしてみよう。
「ソーラーシステム」。
英文表記すれば、
「SOLAR SYSTEM」。
ちゃんと辞書に載っていることばだけれど、
これは「太陽熱発電装置」の事では無い。
正しい意味は「太陽系」。
恒星である太陽を中心に水・金・地・火・木・土・天・海・冥、と惑星が巡る
我々の住むこの天体単位の事である。
このカテゴリーのテーマは自然観察。
天体観測もその一環には含まれるだろう。
空気の澄んだこの季節、
天文学には少々疎い身ではあるが、夜空を眺めながら
少し掘り下げてみよう。
われわれの住む地球もひとつの衛星を持っている。
月、だ。
時に赤く時に青く輝くその色、夜毎貌を変えるその姿。
「陰」を表し、狂気に擬される存在。
昔から「月」にはご執心なおいらではある。
「つき」とは「憑き」の読み変え。
「LUNA」と「LUNATIC」は語源を同じくする言葉。
洋の東西を問わず、月は狂気の象徴なのだ。
ここから文学の話、音楽の話、映画の話もはじめられるけど、
今日は天文学の話、とふろしきをひろげたばかりだから、それを。
そこで太陽系の話に戻る。
太陽から近い順にまず水星、そして金星は衛星を持たない。
地球にはひとつ、MOONがある。
火星にはPHOBOSとDEIMOS。
木星は16もの月を持っている。
本星に近い順に、
ADRASTEA、METIS、AMALTHEA、THEBE、IO、EUROPA、GANYMEDE、CALISTO、
LEDA、HIMALIA、LYSITHEA、ERALA、ANANKE、CARME、PASIPHAE、SINOPE。
土星はなんと18個。
PAN、ATLAS、PROMETHEUS、PANDORA、EPIMETHEUS、JANUS、MIMAS、ENCELADUS、TETHYS、
TELESTO、CALYPSPO、DIONE、HELENE、RHEA、TITAN、HYPERION、IAPETUS、PHOEBE。
天王星にも17個で名前のついているのが15個。
CORDELIA、OPHELIA、BIANCA、CRESSIDA、DESDEMONA、
JULIET、PORTIA、ROSALIND、BELINDA、PUCK、
ここから5つが5MAIN MOONSと呼ばれるもので、
MIRANDA、ARIEL、UMBRIEL、TITANIA、OBERON。
海王星にも今では8つが知られている。
NAIAD、THALASSA、DESPINA、GALATEA、LARISSA、PROTEUS、TRITON、NEREID。
冥王星にはひとつ。
CHARONと呼ばれる本星とほぼ同じ大きさの月。
これはひとつの重星と考えられているようだ。
星の名前はおもにギリシャ神話にその由来が求められるが、
月の名も大半がそのように名付けられている。
特に衛星としてのサイズが大きく、古くから知られているものはそれに倣っているようだ。
しかし、天文学と宇宙工学の進歩によって最近になって発見されたものはその限りでは無い。
それ故に天王星ではシェークスピアの登場人物の名が当てられたりしている。
今回はその名をまず紹介するにとどめ、
その命名の由来などは改めて調べ直してアップすることにしよう。