夜が明るい。
もう一昨日になるが、東京は大雪に見舞われ、
つもったままのそれが、煌煌と水銀灯を照り返し、夜の底を白くしている。
空気は湿り気を含んだまましんしんと冷え渡り、根雪をさらに凍てつかせている。

とは言えその寒さも、雪の白さも雪国に暮らす人から見ればハナで笑うほどの事かも知れない。
しかし良く晴れて暖かかった大雪一過の15日を経てもなお、これほどの残雪があるのは珍しい。

慣れていないという事は対策も出来ていないし、対処の仕方もわからないから、
積もってしまった雪の処理も手をこまねくばかりで、等閑のまま凍結させてしまうから、
それがまたいつまでも消えずに日陰に残ってしまう。
それがつまり東京の雪の顛末だ。

車や、雪道の歩き方など、これもまた雪国に暮らす人から見れば狂気の沙汰と思われる事を、
平気でしてしまうのも東京に住む人々。
大股てかかとから踏み込んで歩く、
ノーマルタイヤで勇躍乗り出していく。
転んだり、スリップしたり、事故ったり、そりゃ当たり前だ。


これまで幸いな事に2日続けてまとまった雪が降る、という事は無かったため、
本格的に降り込められるという事は無かったものの、これほど残っているとなると、
今朝もまた注意が必要だろう。