フレンチポップつながりで、もうひとつ。

これも過去別の場所にアップしたものの再録になる。



ひさしぶりにフランス・ギャルの楽曲の話を。
これはアイドル時代も後期となったころ、

世間ではサイケデリックな音、デザイン、ファッションがブームを迎えていたのだった。


べべ・ルカン、と読んでほしい。

bebeは赤ん坊、requinは鮫。「赤ちゃん鮫」ということになるが、
日本語タイトルは『おしゃまな初恋』。
この曲もかなりヒットしたようだ。ドイツ語でもレコーディングされていて、
そのタイトルは『Haifischbaby』。意味は全く同じである。

これはゲンスブールの作ではなく、ジョー・ダッサン他3人の共作。
発表は『teenie weenie boppie』と同じ67年の9月。
アイドル期のフランス・ギャルは全体を通してジャズっぽい曲が多いのだが、
67~68年は殊にモダンジャズの雰囲気を持った曲が数多い。この曲もそのうちの一つ。
もうひとつはトランペットの使い方など、
ビートルズの伝説的名盤『サージャントペパーズ』からの影響が垣間見える。

鮫というと獰猛な、恐ろしい、貪婪なというイメージだが、
Je vais te devorer le coeurというわけで、
あなたのハートを食べてしまう(つもり)、と歌っている。

「食べる」は普通mangerだが、devorerは「むさぼり食う」という意味。
やはり、鮫ですから。
一途な女の子の怖さみたいなものも其処はかと無く漂ってくる。
少なくとも『おしゃまな初恋』って感じでは無い。

Bebeもやがては成長するんだし、ね。
大人の鮫は、掛け値無しに怖いよね。