最後にお婆さんから聞いた話
20歳の時婆さんと2人になった時
『武。お婆ちゃんは武のお父さんの本当のお母さんじゃないんだよ』
って20年もホントの婆さんだと思っていたのに衝撃だった。
そこから婆さんは俺に俺の婆さんになった理由を話してくれた。
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戦後船の中でコックをしていた爺さんは奥さんと離婚して
子供4人を家政婦さんを雇って面倒を見てもらっていたそうで、
その家政婦さんが俺の婆さんになる人だったそうです。
家政婦さんといっても何カ月も家に帰って来ない事もある為
泊りでずっと子供4人の面倒をみていたため婆さんの両親が
流石にもう家政婦を辞めて戻りなさいといってお婆さんを家に連れ戻したそうです。
その次の日の夜中婆さんが家にいると8歳になる俺の親父が・・・
婆さんの家を探して歩いて行ったそうです。
そうですね距離はわかりませんが
大宮の駅前~桶川くらいと聞いてます。
婆さんもそうですが婆さんの親もびっくりしたみたいです。
そこで一言
『戻ってきて下さい。戻って来てくれないと弟達が死んじゃいます。』
って泣きながら頭を下げたそうです。
その姿に婆さんの両親も婆さんも心打たれてまた親父の家に
戻ってきたそうです。
この話聞いた時スゲ~と思ったのですが・・・
更にその後婆さんの葬儀の時
親戚から聞いた話。
親父が10歳の時婆さんと爺さんが結婚をする時
親父は本当のお母さんに最後に一回会いに行き
『ありがとうございました。』って一言だけ言いにいったそうです。その後二度と本当のお母さんに会いに行く事はなく
それが親父なりに戻ってきてくれた婆さんに対する感謝の気持ちと本当にお母さんと呼ぶ為の区切りだったみたいです。
本人からそんな話聞いたことも無かったので・・・8歳~10歳の俺で
そんな事できたか考えさせられた出来事だし・・・
未だに本人から聞いたことない。
ただ・・・葬儀の時本当のお父さんの時にも涙をさほど流さず寿命だから仕方ないと言っていたのに
婆さんの時は最後まで号泣していてそれが親父が泣くところをみた最初で最後なので本当の親以上にお婆さんをお母さんだと思っていたんだなと感じた。
昨日。。。そろそろ婆さんの命日だなと写真みてたら
何と無く思い出したちょっといい話。