メリノ羊毛を紡錘車で手紡ぎの作業をしていたTuge さん

糸車を操るTugeさん

「先生、撚りが強すぎるかしら?」

撚りが強いと織物は強くなる

弱いとキレる

切れるのは 嫌(いや)!

先週はその糸を整経して筬通しと綜絖通しを終えて今日から織り始めです。

「緊張しますね」

「誰でもね、ワクワクだ」

「私だけじゃ無いんだね」

「そうだな」

原毛をミキシングして手紡ぎの糸が織り込まれて

織物にどのような表情を出すか

製作者としては”ワクワクする瞬間”である

最初にやる工程だから不安も入り混じるものだ。

企画デザイン書に確認しながら、確認が進む

「先生、これで良いでしょうか?」

「これで良いか自分で決めましょう!」

「自分で決めろって言ってもね〜」

指導している私もドキドキしているのに

Tugeは平気な人なんだ。

「・・・」

一本一本慎重に緯糸を通す

筬を寄せる、

「うーーん、ムズイ変な感じだわ」

 

「おー!良いね〜、良い感じだわ」

「いいね〜たまらないな、いいね、なぜ皆んなやらんのかな

 完全なオリジナルなのに な!」

師匠は腕を組んで織機の周りをウロウロ、まるで熊だ。