今日は27年前に製作したガーゼケットが出て来たので紹介しよう、

(この商品企画はたった〇円で出来たのです。)

この商品は経糸はコットンで緯糸はコットンと一部ウーリーナイロン糸を

使用して織っている。

なぜ?この織物を作ろうとしたのかというと、

私は南フランスのブテイを初めて見た時、表の布と裏の布の間に綿を入れて

2枚の布を縫い合わせるために刺繍を施してある布を見て、

”これをジャガード織りで織って見たい!、と思い

織り職人共同企画で織り上げてみました。

綿の膨らみと、刺繍によるパターンが美しいブテイ刺繍を織り表すために

私は、ウーリーナイロン糸を織り込んでみました。

綿の膨らみを増す為にウーリーナイロンと多重織り組織の糸を重ねて織りました。

結果、5重織りの組織で中綿としてウーリーナイロンを織り込んであります。

緯糸のウーリーナイロン糸が熱処理する時の縮み作用によって

縦皺が現れて、より柔らかなガーゼケットが完成したのです。

 

当時、この時の企画が始まったのは、不景気のおかげです。

景気が悪くて織機も止まっていた時期で仕事も無い時代でした。

どうせ止まっている織機ならこれを使って、自分たちで試作してみようと作った

共同企画で、新商品が出来上がったのです。

 

今、また不景気の嵐が来そうなので、今日は当時の織屋さんと話し合い、

”もう一働きしてから死にましょう”と

織屋さんと企画屋の”三河木綿[穂の会]”が復活しそうです。

 「今、織機、空いてる?」

「電気代は機屋持ちで良いか?」

「誰かこの糸番手で要らない糸持ってる?」

「捨てる糸があるならそれを使おう」

「意匠と紋紙は俺が作るぜ」

1mの布に命をかける70代の[職人集団]が地域を変える。

格好良過ぎないか?

死に物狂いなのに。