以前に廃業する織屋さんからいただいた織機のビーム、

ビームとは経糸を巻いてある重量挙げのバーベルのような型のような物で

巻き付けてある糸は紺色の木綿である。

ところが経糸に綾が取れていないことに気づいた!。

経糸を織機にセットするには筬も綜絖も綾が無くてはどうしようも無いのだ。

「この糸は使い物にならない!」

本来ビームに巻きつけるには綾を取ってある筈なんだが、

何らかの理由があって綾を外してしまったのだ。

どうやら、糸の番手を間違えて整経して織りかけを切ってしまったようだ。

この糸何メートルあるの?

小幅織機だから本数は800本以上で長さ数百メートルはあるはずだ

「ゴミに捨てるには量が多すぎる」

「しまった!受け取るべきではなかった」

私は綾をとる作業をすることになった。

一本一本奇数偶数に仕分けて綾をとる、

どうしよう?と思案を始めて3日間の試行錯誤の後

手織織機の部品を応用して綾取り作業を行えるようになった。

 

 

さてさて、この糸をどう使おうか

本来、小幅織機の三河木綿に織るはずだったのだから

生まれ変わった組織で織り表現したいと企画することになった。

 

”ゴミに捨てずに済んだ安堵感と次の再生三河木綿に夢を見る”