[ホテル竹島]にお泊まりのお客様の手織り体験です。
お父様は外国の方でお母様は日本人の親子様です。
「どちらからのご旅行ですか?」
「オーストラリアからです、春休みの休暇を利用して旅行中です」
お父様はオーストラリア人でお母様は日本の生まれだそうです。

さっそく緯糸を選んでいただきお母様と並んで織機に座って織り始めました。
「織れて来たわよ」
「良い色を選んだわね」
仲良し母子は日本語で会話が弾みます。
きっとお家では英語で話し合うのだろう、
私の孫も父はアメリカ人で母は日本人の母の間に生まれ言葉はバイリンガルである。
今はアメリカニューヨークで中学に通っている、そんな孫を思い出していた。
などと思っているうちにコースターが織り上がりました。
「出来たわ」
「すごく綺麗に織れてるわ」

遠いオーストラリアから母の国日本へ来てここ蒲郡へ来ていただいたのだから
日本の文化を知っていただきたい気持ちになりました。
そこで、日本古来の三河木綿の製作方法を体験していただく事にしました。

「この綿は日本の綿です、この綿の中には種がありますから、
この種を取らなければ綿に使えません」
綿の種取り作業が始まります。
オーストラリアと言えば羊毛だろうと思われがちですが綿花の産地でもあるのです。
ここでは小さな三河種の和綿を使って作業をしました。
「あら、種がとれて綿が出て来た!」
「ふあふあの綿がとれたわ」
綿繰り機を回して綿の不思議を体験しています。
とれた綿をもっとフアフアにして糸を紡ぎやすくする為の綿打作業もしました。

そしていよいよ手紡ぎです。
オーストラリアのコットンはアメリカ大陸生まれの大きな綿ですから日本の紡ぎ車とはちがいます。
今回はせっかく蒲郡竹島に来たのだから日本古来の紡ぎ車を使いました。
このお嬢様もオーストラリアと日本だけではなく、日本と世界を結ぶ架け橋の役割をしてくれることでしょう、
そんな時、日本の蒲郡竹島での体験を思い出していただけたら嬉しいと思う竹島クラフトセンターの主人です。
ところで、私の孫は今頃ニューヨークでどんな生活をしているのだろう。