夏休みも終わる竹島海岸に2人の中学生が手織り体験にやって来た。

「よろしくお願いします」
と神妙な顔の2人だ。

「中学生だから今日は三河木綿のフルコースに挑戦してもらおう」

さっそく、綿繰り機を持ち出すと2人の目が輝いた。



「なに?これ」
「これは綿繰り機といいます、綿の種を取る機械です」



キーコキコと音を立てて棉の種と綿が分かれる。
「面白い」



次は、弓が出て来た。
「弓だ、これでどうするの?」
「そうだ言う通り、これは弓だ」

棉に弓の弦を付けて弾くと棉がほぐれてふふあふあになる
「綿菓子のようだ」
「そうだ、均一の綿にすると紡ぎやすくなるのだ」

そこで、登場したのが手紡ぎ車である。
「おー!、格好いい」

「では、紡いでもらおう」
「僕がですか?」
「そうだ、綿をゆっくり引いて、ゆっくり」

「そーら、糸が出来てきた」
「すごい、なんで?、なんで糸になるの」

「それは、君が車を回して糸にしたからだ」

そしてお気に入りの色糸を選んでコースターの手織りをした。
そこへ自分で紡いで作った糸を織り込んでコースターは完成した。



「おめでとう!」
「やれば出来るんだ」

自分で作った世界で一つの素晴らしい作品が出来ました。
さて、次に君達は何に挑戦するのだろう、それが楽しみである。