「いらっしゃいませ、織機の準備ができましたのでどうぞ」

体験者は若い女性3人と1人の男性です。



「この織機はリジェット織機といいます。織物原理を知る為には大変シンプルな型なので
良いです、 見た感じは原始的ですが実は新しいシステムの織機なのです」

「このヘドルと言う板を上げたり下げたりして平織りと言う組織の織物を織っていただきます」

私の説明が終わると織る作業に入ります。

「上か下か間違えちゃった」
「そうですね、この織機はこれが欠点といえば欠点ですが、ゲームの感覚もあって楽しい織機ですよ」



「あれ!また間違えた」
「大丈夫ですよ、覚えるには早く間違えた方が早く覚えますから」

「そうです、この織機の間違えは一つしか無いのですから怖がらずに間違えましょう」

などと会話を交わしながらの手織り体験です。
兄妹4人の手織り体験かと思っていたら、実はこの中にお母様がいる事を
発見してしまいました。
若く美しいお母様です。



房作りも真剣な作業です、苦手な人もいなくて全員無事クリアーしました。

そして全員コースターを完成させました。

「出来たー」
「楽しかったです」
「もっと織りたいです」

などなど、楽しい声を聴きながら嬉しい気分のTCCの主人でした。



夏休み中は連日の体験申し込みが相次いでいました。
手織り体験で作った作品はお持ち帰り出来るシステムになっています、
作者毎に経て糸をカットしないかぎりはお持ち帰りは出来ません。

しかし織機の経糸をカットするなんて事は常識的に考えられない事なのですが、
竹島クラフトセンターは竹島に訪れた観光客や市民を対象に三河木綿を
知っていただき体験できる教育施設なので、手織り体験で織った作品を
お持ち帰りができなければなりません。

それを可能にしているのは、織物専門家であり職人さんの技術と
蒲郡のおもてなしの思想があったからなのです。