朝予約の電話が入った。
「手織り体験をしたいんですが、出来ますか」
明るく元気な若い女性の声でした。

朝から体験のお客様がつづき時間の調整がつかず少し時間を
ずらしてもらって手織り体験が始まりました。

若い人達の弾けるような声が教室に響いて明るい雰囲気で始まった。



教育大の生徒さんが竹島の手織りにやってきてくれたのです。


「織物は原始時代から織られていた」
「現存する織物ではエジプトのミイラを包んでいた布が一番古く5000年以前のものだ」
「日本に初めて棉が渡来した土地が三河の国であった」
「実はあまり知られていないが蒲郡は有数なコットンの繊維産地である」

などとTCCの主人の講義を聞きながら手織りがすすみます。
織進むほどに学生さんの声も聴こえなくなり全員真剣な表情です。



教育大学の学生さんなら、地元の産業の起源と民衆の生活を知るべきだと
三河木綿の発生と生産方法と近代化の話と、三河木綿の手紡ぎの
実習をしました。

「おー!棉が糸になっちゃう」
「なぜ?」

棉が糸になる過程を自らの手で体験して、驚きの経験が後の
お仕事に生きてくれたら嬉しいと思うTCCの主人でした。