
豊田市から竹島海岸へ行楽に来たお二人さんです。
彼は物創りには自信があり、銀細工や切り絵なども
作っているそうです。
TCCで手織体験をしようと決めたのも彼の方でした。
彼いわく、「彼女は手先は器用ではない」との事で、
早速手織体験を始める事になりました。
TCCの主人が、
「彼が彼女のコースターを作り、彼女が彼のコースター
を作るのどうだろう?」
と提案をすると、彼が
「僕の物は僕が織るよ、絶対彼女は下手だから」
と失礼な事を言っていました。
彼女も、
「私は私のコースターを織るほうが気が楽だから」
緯糸のカラーも決定して、お二人の手織りが始まりました。
織り進むうちに、
「あれ!彼女の方が上手に織れてるよ!」
とTCCの主人が言うと
「お前俺より綺麗に織れてるじゃん!」
と彼が驚いたように覗き込む
「だって手織りが楽しいんだもの」
「彼女は何を作らせても下手だから・・・、
手織りもダメかなと思って、自分のコースターは
自分で織ることにしたのに・・・、こんなに上手に
織るなら俺の物は彼女に織ってもらえば良かったな!」
織り上がったコースターを見せ合って、
「驚いたな~!俺の方がへたじゃん!見なおしたよ、
お前、こんな才能があったんだ!」
そこでTCCの主人が
「人は誰でも隠れた才能を持って生まれているんだ」
と言うと、彼がポツリと言いました。
「これから自分は創作の道を歩きたいと思っているんです」
「今日の手織り体験で彼女が手先の器用なことも知り
良かったです」。
そしてTCCの主人と将来の事で話が弾みました。
「君がクラフトの道を歩むには、よき理解者のパートナーが必要だね、
愛する人がこんな才能の持ち主であったことは君は幸運だから、
まず、明日から彼女を弟子の第一号として育てる事を勉強しよう、
そして、クラフト作家を目指して頑張って下さい」。
二人は、また来る約束をして帰りました。
若い二人の未来を語る姿に、遠く過ぎ去った自分の青春に
想いを馳せるTCCの主人でした。