今日の竹島海岸は初夏を思わせる暑い日になりました。

風も無く穏やかです。橋の上を歩くと海の涼しい風で
紫外線や熱射の対策を忘れそうですが、意外に強いので
ご注意して美しい竹島散策をお楽しみ下さい。

梅雨の季節の中で儲けたような天気の竹島を後にして
[竹島パルク]内にある竹島クラフトセンターをたずねて
見ると、スタッフの一人が織機に向かって何かやって
いました。

「今、綜絖通し(ソウコウ)をやっているんですよ」

と答えてくれたのは、前に絹のショールを織り上げて
いた、この織機の持ち主でファッションメーカーの
チロル工房の、チロルさんでした。

綜絖とはどんな役割をするものでしょう、

[ソウコウ]は織機に張られた経糸を上げたり下げたり
する装置です。ンン???

「織物って経糸を上げたり下げたりするだけで織れるの?」

そうなんですよ~
ただし、緯糸(よこ糸)が経糸(たて糸)の間に通らなければ
織物になりません。

「だって、織物を見ているとよこ糸がうねって織れてるよ!」

違うんだな~、だったらたて糸をよく見てよー!たて糸
だってうねっている様に見えるじゃない?

「うーん、良い所まで話が盛り上がったねェー」

とTCCの主人が話に割り込んで来た。

「では試してみよう」
と織機のたて糸に横糸を上げたり下げたりして通して織ってみたら、

「これはかなり面倒だァ~」

という事に話は落ち着きました。

だけども何千年もの昔の人は立ち木に張ったたて糸に、1本1本
横糸をうねらせて織っていたが効率が悪いと言うことで
[ソウコウ]の原理を発明した人がいたんだ。

特許もない時代に偉い人がいたんだね、この発明によって
織物の生産量が増えて人類の生活はかなり良くなり命も
守られたから、現代の豊田佐吉より凄いことだったんだよ。

話を戻そう、つまり[ソウコウ]でたて糸を上げたり下げたりする
ことにより、開いた経て糸の間に横糸をまっすぐ通すだけで
織物が織れると云う素晴らしい装置だと言う事はわかったかな?
そして色々な織物を織るために色々な[ソウコウ装置]が発明されたんだ。

とTCCの主人の織物の講義が終わりました。

その間作者のチロルさんは黙々と作業を続けるのでありました。