〈前から続く〉

チロルさんのショールが織機から切り離されます。

チロルさんの織機に何時も掛かっていた織物が
今、経て糸が切られて織機から離れ、一つの
独立した物として誕生する瞬間です。

鋏が絹の経糸をジョキジョキと音を立てて
切られて行きます。

お相撲の断髪式に似ていますが、経糸が切られる事により
一つの物が生まれるのですから、
臍の緒が切られて生命が誕生する大変おめでたい儀式です。

織機から離れ、柔らかな手に吸い付くような絹の布が
揺れながら光る様を

「おー!」

「素晴らしい!」

「地紋が光って浮かび上がるようだわ」

「厚いと思ったけど軽くていいわ!」

この物を身に着ける者が幸せになるよう、心で祈りながら、

キラキラ光って浮かび上がる絹の地紋を眺め、
心に熱いものを感じるチロルさんとスタッフでした。

チロルさんは、ミカワ・テキスタイルネットワーク、
MTN協議会[アンテナショップ夢織人]の[チロル工房]
のブランドを持つアパレルのデザイナー作家さんです。

(チロルさんの服は記者も愛用しています)

自ら手織と草木染めの勉強をしながら、近い将来に自作の布に
ご自分のデザインのファッションが誕生することでしょう。

TCC・竹島クラフトセンターからお伝えしました。