書店で何気なく手にした本だった。

大した小説じゃないだろうと思ったけど、ただ何となく。

気がついたら、レジの前にいて。

気がついたら、その大したことない小説にのめり込まれていた。


それが半年くらい前の話。


世界陸上大阪での朝原宣治の走り。

4継の日本メンバーの走り。

熱いものを魅せてくれた。

正直、観ているこっちにもこみ上げてくるものがあった。


陸上競技「100m」。「4×100mリレー」(通称「4継」)。

こんなに儚いスポーツはないと思う。

10秒で全てが決まる世界。

たかが10秒、たかが100mである。

でも、そのたかが10秒に、100分の1の世界に全てをぶつけようとするランナー。


「一瞬の風になれ」

少し幼いかもしれないけど、いい小説だと思う。

陸上の楽しさ、熱さを教えてくれる。

そんな小説。

ぜひ。