㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。
ご注意ください。
≪・・・何笑ってんだ?≫
≪そんなに爆笑することありましたっけ?≫
へらへらと笑うヨンハに、ジェシンとソンジュンが首を傾げた。ユニは眠そうだから、少々反応が鈍い。さっきまで温かな仔犬たちを腹に抱いていたのだから、自分もそこそこ眠いのだろう。ユンシクはそんなユニに引っ付いているから、こちらもぼうっとしている。
≪ほらユニ、ヨンハのバカは放っておいて寝てしまえ≫
≪そうだね、子守で疲れただろう?≫
笑うヨンハを無視して、二頭はユニに囁いた。ユニはうっとりとほほ笑みながら答えてくる。
≪子守って・・・あの子たち、可愛いから楽しいの・・・それに、小さい頃のユンシクを思い出すわ・・・私もそのころは子供だったから、私とユンシクはあの子たちみたいに見えてたのかな、って思うとおかしくって・・・≫
少し面積の広い耳が垂れる、愛嬌のあるラブラドルレトリバーの容姿。それだけでも優しげに見え、実際に穏やかな気性は種の特徴を裏切らないユニとユンシク。仔犬たちはユンシクの容姿をそっくり引き継ぎ、今はコロコロと太り気味なのもあってぬいぐるみのようにかわいい。ユンシクと同じように垂れた耳は、大きくなれば少し薄く広くなって横顔を飾り、それこそユンシクとよく似ているユニにそっくりにもなるだろう。そんな昔の思い出を、夢うつつにユニは思い出しているらしい。
≪君たちは初めて会った時からかわいらしかったよ、ママとパパが喜んでいたのを覚えているよ≫
≪ああ、お前たちはまるで生まれたときからこの家にいたみたいにすぐにここの犬になったな、俺たちもお前たちがいることが当たり前みたいだった≫
≪ユニちゃんはずっとかわいらしいよっ!おっと、勿論ユンシクもかわいいよっ!≫
≪ついでみたいにほめなくてもいいよう・・・≫
眠そうなのにちゃんと反応したユンシクだったが、なんだか慌ててユンシクの背中を舐め始めたヨンハの温かさに負けて、すぐに深く眠ってしまった。ユニの前足と自分の前足を絡ませたまま。
≪あの子たちも・・・すぐにここに慣れたわ・・・サヨンたちが優しいから・・・私たちが来た時と同じように、ジュンも、ヨンハ先輩も、あの子たちを歓迎して可愛がってくれてるわ・・・私・・・とてもうれしいの・・・サヨンたちと一緒に暮らせて・・・ママがいてパパがいて・・・私の子供たちも新しいおうちで楽しく暮らしてるってママが教えてくれたの・・・でも、寂しかったの・・・だけどあの子たちが来てくれて・・・やっぱりみんなが一緒にいてくれて・・・私うれしいの・・・≫
ユニはそう言って、すうっと眠っていった。
三頭はユニにすり寄った。ジェシンはユニの薄い柔らかな耳元に頭を寄せ、ヨンハはユンシクの背中側から後ろ足を伸ばして、ユニの後ろ脚の上にそっと置いた。ソンジュンはユニの腰辺りに前足を乗せて横になる。
≪さっき俺が笑ってたのはさ・・・≫
ユニとユンシクを起こさないように、ヨンハが囁いた。ジェシンとソンジュンの耳がぴくぴくと動き、話を聞いているのが分かる。
≪俺たちはさ、誰が一番か、なんて、考えなくても分かるって気づいたんだよ・・・ほら・・・今の俺たちの格好を見ろよ・・・≫
ユニを中心に団子のように固まって眠るレトリバーたち。皆どこかをユニと触れ合って、守るかのように、いや、彼女がいないとどうしようもないとでもいうように寄り添う。これがずっと続いてきた。皆で一緒に眠らなかったのは、ユニがヒートの時、そして仔犬を産んだ直後ぐらい。そうやってジェシン達は寄り添って過ごしてきた。
≪ユニちゃんがさ、俺たちの一番だよ・・・強いとか速いとかじゃなくって・・・俺たちってユニちゃんがいるからこうやってずっと一緒にいるんじゃないかなあ・・・≫
ヨンハも眠くなってきたのか、最後はちょっといい加減な意見だったが、ジェシンとソンジュンも同感だったらしい。反論はなく、もう寝るぞ、というジェシンのそっけない鼻を鳴らす音が聞こえたぐらいだった。
夜中、仔犬たちが目を覚まし、ユニを探して団子の中に割り込む。朝、イ夫妻が発見するのは、ユニとユンシクの間に体を突っ込んで眠りこける仔犬たちと、周囲でそれを静かに見守る大人のレトリバーたち。それは本当に。
幸せな家の風景。レトリバーホーム。
㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。
ご注意ください。
≪・・・何笑ってんだ?≫
≪そんなに爆笑することありましたっけ?≫
へらへらと笑うヨンハに、ジェシンとソンジュンが首を傾げた。ユニは眠そうだから、少々反応が鈍い。さっきまで温かな仔犬たちを腹に抱いていたのだから、自分もそこそこ眠いのだろう。ユンシクはそんなユニに引っ付いているから、こちらもぼうっとしている。
≪ほらユニ、ヨンハのバカは放っておいて寝てしまえ≫
≪そうだね、子守で疲れただろう?≫
笑うヨンハを無視して、二頭はユニに囁いた。ユニはうっとりとほほ笑みながら答えてくる。
≪子守って・・・あの子たち、可愛いから楽しいの・・・それに、小さい頃のユンシクを思い出すわ・・・私もそのころは子供だったから、私とユンシクはあの子たちみたいに見えてたのかな、って思うとおかしくって・・・≫
少し面積の広い耳が垂れる、愛嬌のあるラブラドルレトリバーの容姿。それだけでも優しげに見え、実際に穏やかな気性は種の特徴を裏切らないユニとユンシク。仔犬たちはユンシクの容姿をそっくり引き継ぎ、今はコロコロと太り気味なのもあってぬいぐるみのようにかわいい。ユンシクと同じように垂れた耳は、大きくなれば少し薄く広くなって横顔を飾り、それこそユンシクとよく似ているユニにそっくりにもなるだろう。そんな昔の思い出を、夢うつつにユニは思い出しているらしい。
≪君たちは初めて会った時からかわいらしかったよ、ママとパパが喜んでいたのを覚えているよ≫
≪ああ、お前たちはまるで生まれたときからこの家にいたみたいにすぐにここの犬になったな、俺たちもお前たちがいることが当たり前みたいだった≫
≪ユニちゃんはずっとかわいらしいよっ!おっと、勿論ユンシクもかわいいよっ!≫
≪ついでみたいにほめなくてもいいよう・・・≫
眠そうなのにちゃんと反応したユンシクだったが、なんだか慌ててユンシクの背中を舐め始めたヨンハの温かさに負けて、すぐに深く眠ってしまった。ユニの前足と自分の前足を絡ませたまま。
≪あの子たちも・・・すぐにここに慣れたわ・・・サヨンたちが優しいから・・・私たちが来た時と同じように、ジュンも、ヨンハ先輩も、あの子たちを歓迎して可愛がってくれてるわ・・・私・・・とてもうれしいの・・・サヨンたちと一緒に暮らせて・・・ママがいてパパがいて・・・私の子供たちも新しいおうちで楽しく暮らしてるってママが教えてくれたの・・・でも、寂しかったの・・・だけどあの子たちが来てくれて・・・やっぱりみんなが一緒にいてくれて・・・私うれしいの・・・≫
ユニはそう言って、すうっと眠っていった。
三頭はユニにすり寄った。ジェシンはユニの薄い柔らかな耳元に頭を寄せ、ヨンハはユンシクの背中側から後ろ足を伸ばして、ユニの後ろ脚の上にそっと置いた。ソンジュンはユニの腰辺りに前足を乗せて横になる。
≪さっき俺が笑ってたのはさ・・・≫
ユニとユンシクを起こさないように、ヨンハが囁いた。ジェシンとソンジュンの耳がぴくぴくと動き、話を聞いているのが分かる。
≪俺たちはさ、誰が一番か、なんて、考えなくても分かるって気づいたんだよ・・・ほら・・・今の俺たちの格好を見ろよ・・・≫
ユニを中心に団子のように固まって眠るレトリバーたち。皆どこかをユニと触れ合って、守るかのように、いや、彼女がいないとどうしようもないとでもいうように寄り添う。これがずっと続いてきた。皆で一緒に眠らなかったのは、ユニがヒートの時、そして仔犬を産んだ直後ぐらい。そうやってジェシン達は寄り添って過ごしてきた。
≪ユニちゃんがさ、俺たちの一番だよ・・・強いとか速いとかじゃなくって・・・俺たちってユニちゃんがいるからこうやってずっと一緒にいるんじゃないかなあ・・・≫
ヨンハも眠くなってきたのか、最後はちょっといい加減な意見だったが、ジェシンとソンジュンも同感だったらしい。反論はなく、もう寝るぞ、というジェシンのそっけない鼻を鳴らす音が聞こえたぐらいだった。
夜中、仔犬たちが目を覚まし、ユニを探して団子の中に割り込む。朝、イ夫妻が発見するのは、ユニとユンシクの間に体を突っ込んで眠りこける仔犬たちと、周囲でそれを静かに見守る大人のレトリバーたち。それは本当に。
幸せな家の風景。レトリバーホーム。