㊟フォロワー様500名記念リクエスト。
成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。
ご注意ください。
一度好きになったものを嫌いになることは今までなかった。夢中になれることにはとことん貪欲に没頭して、それを許される環境であったことも幸いしたのだろう、望んだとおりの職に就いて、何の不足もない人生だと周りは思うだろう。
自分でもそう思っている。贅沢など言うつもりはない。やりがいのある研究、それを仕事にできたことは、仕事として苦しい局面があったとしてもよりどころとなり乗り越えてきた。恩師にも恵まれた。理解のある両親にも感謝している。友人も長く付き合いを続けてくれている。だから皆が言うのだ。あとは。
あとはご自分のご家族を、伴侶を得られることだけですね。
大学に激震が走ったのは秋も深まったころ。そしてネットニュースになり、テレビでも取り上げられたのは、一重にその話題の人物が有名だったからだ。
イ・ソンジュン教授。46歳。には見えない若々しいスタイルと何よりも衰えない穏やかでハンサムな顔。政治の話題になるとコメントを求められてよくテレビに出演、またはインタビューに答える依頼の多い政治学を専門とする大学教授だ。正確には歴史政治学。だが、その鋭い視点と専門用語をできる限り使わないわかりやすい言葉選びに長けていて、非常に人気のある人物だ。独身であることは、時にはその人柄を勘繰るようなことを言うのが世間であるが、彼に関しては、『あまりにも研究に時間を費やしてしまって』という説明が納得いくぐらい忙しそうにしているため、広がることすらなかった。そんなイ教授が。
『当大学、法学部教授、イ・ソンジュン教授がご結婚のため一週間の休暇をとられます。教授担当の講義をとっている者、ゼミ生に関しては、その週の単位をレポートでの評価とします。掲示板でテーマと期日を確認の上、提出すること。』
彼の勤め先の成均館大学の学生用掲示板に出たその知らせは、瞬く間に外部に流出した。ネットで拡散され、テレビ、新聞、芸能関係の記者からも大学に詳細の問い合わせがあり、その回答はきちんと書面にて用意されていた。
『皆様にご報告を申し上げます。
私、イ・ソンジュンは、この度縁ありまして結婚の運びとなりまし
た。すでに身内での挙式は終わり、新家庭を妻と共に築く一歩
を踏み出したところです。
私は仕事柄、皆様に対して発信することの多い身ではございま
すが、 妻は一般家庭で育ち、メディア等に関係する職でもあ
りませんので、ご紹介できないことをお許しください。
共に生きることを誓い誠実な夫として、そして誠実な社会人とし
て頑張ってまいります。
成均館大学 法学部教授 イ・ソンジュン 』
何もわからない。相手がどのような女性なのか。年齢も職業も。
しかしこの情報社会。完璧な壁などないので漏れるところから漏れるのだ。別に恥ずかしいことでも何でもないから、知り合いには徐々に広がっていく。まずわかったのが、相手が非常に若い女性だということ。もともと知り合いだったということ。そこから始まって、また情報が追加される。親子ほど年が離れている。とか。知り合いの娘さんだとか。そして決定打は、その噂の妻の周囲から拡散した。
大学で一緒の子がイ・ソンジュン教授の奥様だった!勿論、一回生の年だよ!
『年齢差28歳!』と瞬く間に広がったその話題に、最終的に出てきたのは妻側の父親だった。
「ああ、うちの娘だ。え?うちの娘は赤ん坊の時からあいつが大好きで、やっと嫁に行けると喜んだのは娘の方だよ。あいつもよく待ってくれたもんだよ、会うのは親がいるところっていうこっちの要求を最後まで守ってくれたぜ。でなに?娘の情報をこれ以上載せてくれるなよ、娘はただの大学生だ。そして俺は、個人情報を犯された場合の対処を知っている仕事だからな。」
そうじろりと睨んだ父親は、一緒にいたク財閥の会長と共にビルの中に消えていった。父親は弁護士。教授の大学時代からの友人。そしてクグループの会長もそう。その姿は映像として流れたし、勿論弁護士としての名も知られていたが、それ以上の追及を皆辞めてしまった。分ったのは。
生まれたときからイ教授が好きで、とうとう結婚にこぎつけた28歳年下の女子大学生。御年18歳の若妻。
miu・・・様リクエスト「コロユニパラレルのミニョンとソンジュンおじさんの年の離れた純愛の物語」です。むっちゃサヨンが怒りそうなリクエストですが(笑)。がんばりま~す!