㊟成均館スキャンダルの登場人物による創作です。
ご注意ください。
ユンシクは家族に杖打大会のことを
知らせるつもりは微塵もなく。
そしてソンジュンもそんな権利のないまま。
ユニは杖打大会があることを知った。
情報源はもちろんスンドリ。
明るく賑やかなスンドリは
ユニにすっかり慣れ、
優しいユニを少しでも楽しませようと
歩きながらいろいろ話をする。
主従関係にあるならば、
下人が気軽に話しかけるなどもってのほかだが、
人通りの少ない街道、
そして優しい綺麗なお嬢様であるユニは
にこにことスンドリの話を聞いてくれるので
スンドリは懐いてしまっていた。
スンドリはその話を
屋敷で聞いていた。
坊ちゃんのご活躍を見たいと、
旦那様が奥様もお連れになる、と
下女達の話に聞いたのだ。
旦那様、奥様付きの下人ではないため
スンドリは供にはなれない。
けれど、坊ちゃんにお願いして
見学をお許し頂こう、と
意気込んでいたところに
ユニの供の日がやってきたのだ。
高揚しているスンドリは
見学をお願いする、ということを
ユニにうれしそうに話したのだ。
スンドリにとってソンジュン坊ちゃんは唯一。
賢くて誰にも負けない若主人。
それに、案外優しいので
たぶん許して下さるだろう、と
ウキウキとユニに話して聞かせた。
「まあ、私も拝見したいわ。
ユンシクも出るのかしら?」
とユニが返答し、
スンドリは何も考えずに答えた。
「お出になるんじゃないですかあ?
お若いですし、戦力ですよう!」
「でも、ユンシクはスンドリも知っての通り、
線の細い子ですよ?」
スンドリは大きな体をかがめて
ユニの顔を窺い、
心配そうに瞬く瞳を見つけた。
「坊ちゃんが側についておられます!
うちの坊ちゃんは、ご友人を大切にされる方です!
綺麗な学士様と一緒におられますよう!」
スンドリは懸命に主張した。
スンドリはバカだが、それでも分かる。
坊ちゃんは綺麗なお嬢様がお好きだ。
気に入っておられる。
坊ちゃんのいいところをお教えしないと!
「でも、女人の私が見に行くわけにも参りませんしね・・・。」
と呟いたユニに、スンドリはいいえ!と
大きな声で横やりを入れた。
「うちの奥様も見学にいらっしゃいます。
ご家族ならば、その日は女の方も成均館に
入れるそうですよう!」
それに、とスンドリは回らない頭を
一生懸命動かした。
うちの坊ちゃんは何でもよくおできになる。
学問だけではなく、弓も体術もお上手だ。
坊ちゃんのおできなることをたくさんお見せしたら、
綺麗なお嬢様も坊ちゃんのことを
もっとお気に入って下さるに違いない!
「・・・綺麗な学士様が御心配なら、
見に行かれますか?
スンドリは旦那様のお供はしませんから、
お嬢様のお供をいたしますよう!」
そのことを、
次の日、ユニからの手紙を持って現われた
スンドリから聞いたソンジュンは
頭が真っ白になって
立ち尽くしてしまった。
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