Crazy for you 頑張る理由その12 ~カラユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  ご注意ください。


 家庭教師中はしっかり義務を果たしたソンジュン。
 ユンシクから引き継いだ教え子は、
 苦手にしていた数学も
 徐々に成績を上げてきていて
 ソンジュンも教える歓びを感じていた。

 教科書中心の指導から、
 発展問題にもチャレンジさせるために
 少し格上の問題集も考えましょう、
 そういう話を父親として
 ユニの待つマンションに帰る。
 やはり人を教えるということは
 責任を感じるものだ、と
 しみじみ思いながら入った部屋には、
 帰る連絡を入れていたためか
 すでに食べるばかりの夕食が並んでいた。

 暑い季節になってきている。
 それに、今からドライブだから軽めね、と
 言いながらも、
 レタスやさっと湯がいたもやしを敷いた上に
 少し透明にも見える柔らかな脂身の乗った
 冷やしゆで豚が綺麗に並んでいる。
 それをつけるたれは、ニンニクやネギなどのたっぷり入った
 醤油だれか、どろりとしたごまだれ。
 ご飯は白くつやつやで、
 冷やしたおかずとは逆に
 ホカホカと湯気を立てるスープと共に並んでいる。
 スープには白身の魚がネギの下に沈んでいた。
 ソンジュンの大好きな太刀魚。
 そういえば切り落としを買っていたな、と
 ソンジュンは香りのいいスープを啜った。

 そんなに遅くならないうちに
 おそらくあるだろう、と目星をつけている
 大きめのインターチェンジのあたりの
 休憩もできるホテルに入ろうと思っている。
 眠らなければ次の日に観光を楽しめないだろうし、
 かといって、運転しているソンジュンを差し置いて
 ユニは寝るのを我慢するだろう。
 短い時間でもいいから 
 ちゃんと寝た方がいい、というのが
 ソンジュンの意見ではあるのだが。

 それはいいわけだとソンジュンは知っているし、
 眠れるところで寝よう、と言われたユニだって
 分かっている。
 ソンジュンの財布の中には
 ちゃんと男のエチケットが入っているし。
 
 正直、二人きりの夜などないのだ。
 ソンジュンは、世の中の恋人達が
 同棲したり、結婚を急いだりするわけが
 分かるような気になっている。
 二人きりの家であれば、
 夫婦であれば、
 一室に閉じこもっても
 誰はばかることないのだから。
 そういう環境をほしがる気分が
 今はよく分かる。

 ただ、俺はなし崩しにそうしたくないのだ。
 そうソンジュンは考えている。
 自分も独り立ちし、
 二人で生活できるようになる、
 それがソンジュンがユニと一緒になるときだ。
 もちろん、一人息子のソンジュンだから
 両親と同居を求められるだろうが、
 それと経済的に独立していることは違う。
 だから。

 昨日、チョン教授に貰ったアドバイスが
 身にしみるのだ。
 5年。
 5年をどう使うか。
 決断を迫られる兵役の時期。
 それを先に決めて逆算した方がいいだろう、と
 漠然とソンジュンは思っている。
 それまでに己の立場を明確に確立させる、
 そうでなければ
 5年経って兵役を終えていたとしても
 ユニにプロポーズすらできないし、
 待っていてくれ、とそれ以上言えないだろう。


 「姉さん。そのおにぎりどうするの?」

 「明日の私たちの朝ご飯~~。」

 「余る?」

 「余る・・・かな?」

 「僕にも朝ご飯においていってよ~。」

 「はいはい。お皿に載せておくわよ。」

 
 見てみると、
 シンクの台の上の皿に、
 おにぎりが何個も並んでいた。
 卵焼きも厚く切ってある。
 夕食を作りながら準備していたらしいユニ。
 そんなところにも
 ソンジュンと出かける楽しみを感じて、
 ソンジュンはうれしくなった。

 「後片付けはしておくからさ、
  食べ終わったら出かけたら?」

 速くても10時を回るに違いない
 出発の時間。

 「そうさせて貰おうか。」

 とユニに同意を求めるソンジュンに
 ユンシクが片目をつぶって見せた。


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