蜜月~暖かなところ その9 コロユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  本筋とは全く関係ありません。


 昼過ぎには買い物も終え、
 ユニはジェシンに指図して、
 ソファをずらしたりしてスペースを空けた。

 トックも入れると、大の男が
 5人も部屋にいるのだ。
 ゆとりのある間取りとはいえ、
 所詮独り者用のマンションの一室。
 リビングダイニングのほかは、
 寝室しかない部屋。
 おそらく満杯になるだろう。

 それを終えると、
 ユニは卵をゆでてサラダを作ったり、
 チヂミの準備をしたりと、下ごしらえを始めた。
 大鍋に切り身を買うときに貰った魚の頭や中骨で
 だしを取っている。
 後は貝やエビから美味しい味が出るから、と
 ざくざくと切ったキムチをどかっと入れた。
 基本のだしを作ってしまうと、
 後は材料は切るだけだし、と
 今度はフライパンにバターを溶かしだした。

 小鍋に湯を沸かし、マカロニも茹で始める。
 バターが溶けると、そこに薄切りのタマネギを入れて炒め、
 しんなりしたところで小麦粉を結構な量入れていく。
 なんだか重そうに混ぜているのを
 横から見ていると、はい、とへらを渡された。

 「焦げないように底から混ぜていて!」

 命じられたとおりにおっかなびっくり混ぜていると、
 冷蔵庫から取り出した牛乳を、
 そっと入れたユニ。

 「ダマにならないように混ぜていてね。」

 一瞬軽くなったへらは、すぐに重みを取り戻した。
 とろみが出るのだ。
 ユニは、そこにまた牛乳を足していく。
 足しても足してもすぐに重くなるへら。
 しかし、牛乳を一パック使い切ったころ、
 なめらかなホワイトソースができあがっていた。

 ユニはジェシンにホワイトソースを混ぜて貰いながら、
 ゆであがったマカロニをざるに上げ、
 その鍋に油を引いて、小さく切った鶏肉を
 炒めていた。
 そして、ホワイトソースの中に、
 鶏肉とマカロニをソースが飛び散らないように
 そっと加えていく。

 中身が増えたために、また重くなったへら。
 ユニはもう一度ふつふつと湧いてくるのを待ち、
 塩とこしょうで味付けしていく。
 しばらく混ぜてから、スプーンで味見。
 ジェシンにも味見させ、

 「ちょっと薄いでしょ?」
 
 と微笑んだ。

 確かに塩気は薄く感じる。
 塩を足すのか、と思っていると、
 ユニは胡椒は少し足したが、
 塩はしまってしまった。

 その代わりに出してきたのは
 蕩けるチーズ。
 匙に大盛り二杯ほど混ぜると、
 またジェシンに味見をさせた。

 塩気とこくが増した気がする。
 それに胡椒で香りも良くなった。
 しかし

 「もうちょっと、ってところでしょ?」

 また微笑むユニ。
 しかし、ユニはそこで火を止めてしまった。

 「仕上げは耐熱皿が来てから。
  塩気はまた増えるから心配しないでね。」
 
 料理をしないジェシンが、味付けに
 何の文句を言えるはずもなく、
 結局、普段から美味しい料理を作るユニの言うことだ、と
 ジェシンは気にしないことにした。

 最初に来たのはユンシク。
 皿の件があるから、
 迎えに行くというヨンハを断ったらしい。
 テーブルの上に持ってきた皿をどんと出すと、
 今日は何のグラタン、と笑っている。

 「チキンマカロニ?っていうのかな~?
  ほら、ユンシク一度洗って!」

 早速こき使われているユンシク。
 耐熱皿を洗い、拭かされている。

 ここでようやくユニの塩気の意味が分かった。
 
 ユニはその耐熱皿にバターを塗りだしたのだ。
 それも結構たっぷりと。
 そしてホワイトソースを流し込むと、 
 その上に零れそうなほどの溶けるチーズをのせ、
 その上からパン粉を散らしている。

 「後は焼くだけ。
  ユンシク、先にお鍋を出すから、
  少しでも貝を食べるのよ!」

 またもやフライパンを洗わされているユンシクは、
 それは勘弁して~と
 手を泡だらけにしながら笑った。

 そんな姉弟の様子を見ていたジェシン。
 働き通しのユニと、いきなり働かされたユンシクに、
 コーヒーを淹れてやっていた。

 「ふえ・・・コロ先輩がコーヒー淹れてる・・・。」

 「何だ?文句あるか?」

 「そうよ。ジェシンさんのコーヒー美味しいのよ。」

 「だって・・・コロ先輩にコーヒー淹れてもらうなんて、
  考えたこともなかったから・・・。」

 「俺は一人暮らししてたんだぞ。」

 「そうよ、いつも淹れてくれるのよ。」

 「・・・いつも・・・?」

 「その代わり飯は作らねえ。」

 「・・・これでご飯を作られた日には、
  僕・・・訳が分からなくなるよ・・・。」

 「なんだか馬鹿にされた気がする。」

 「そうよ、ジェシンさんを馬鹿にしたらダメ!」

 「馬鹿にしてないよ~!
  似合わないと・・・思っただけなんだ!」

 「うるさい!黙って飲め!」

 「そうよ、ありがたく飲みなさい!」

 美味しいわ、ジェシンさん。
 そうか?少し休んどけよ、ユニ。

 目の前でくっついて座る姉夫婦を見て、
 ユンシクは肩をすくめて
 ジェシン特製のコーヒーをすすった。


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