㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
本筋とは全く関係ありません。
「図書館に行く余裕ができたんだね。」
市立図書館に車で向かったソンジュンは、
嬉しそうにユニに話しかけた。
あら、とユニがソンジュンを見る。
「余裕・・・なかったかな?」
私元気よ、と言うユニに、
ソンジュンは笑い声を聞かせた。
「うん。元気だけど、
新しいことがたくさんあったんだ。
やっと自分のことに目が行くようになったなあって
思っただけだよ。」
そう?とユニは答えて機嫌よく笑っている。
幼稚園は楽しいのよ、でも入園したばかりの子には、
まだお母さんを恋しがって泣く子がいるの、
小さいから仕方がないわよね、と
話すユニの声音に無理はなく、
確かにユニさんは仕事を楽しんでいる、と
ソンジュンは内心ほっとした。
じゃあ、もう少ししたら、
俺の事にも目が行くようになってくれるよね。
俺がユニさんに会いたいって言う気持ちも
分かってくれるかな。
助手席でうふうふと機嫌よく笑うユニ。
どうしたの、と訊いてみると、
楽しそうに言ったのは。
「ソンジュンさんと出かけるのって久しぶりのようで。
何だかデートみたいで・・・うれしい!!」
本当だ、久しぶりだね、と返したソンジュン。
久しぶりなことはまだあるんだけど、と
心の中で数えてみる。
四月になってからしていないこと。
買い物以外の外出。
手を繋いで歩くこと。
抱きしめること。
キス。
もちろん・・・ベッドも・・・。
ユニさんは分かってないと思うけどなあ?
絶対お前の方が切羽詰まってるって!
正直にお願いしろよ、イ・ソンジュン。
ちょっとは俺をかまってほしいなあって。
出かけなくてもいいから
ユンシクから隠れてキスぐらい
思う存分させてくれよなあって。
こっそり部屋に行くから一緒に寝ようって。
ばばばばか!
何言ってるんだ、イ・ソンジュン!
ユニさんのことを考えて俺は我慢してるんだぞ!
ほら、待ってたら、こうやって一緒に
出かける日がやってきたじゃないか!
俺を煽るのも大概にしろよな!
な~に言ってるんだ、イ・ソンジュン!
久しぶりのデート先が図書館?
まるっきり最初と一緒じゃないか!
ほらほら行き先変更!
そこを曲がって~、10分ぐらい走ったら、
川沿いの公園もあるし~、
もう少し走ったら~、ご休憩場所もありますよ~!
いいいいいんだ、イ・ソンジュン!
ユニさんは図書館に行きたいんだ!
彼女の望みどおりにしてあげるのが
俺の幸せ・・・多分後で・・・ご褒美が・・・ある・・・かも・・・。
ご褒美?今日の夕飯が豪華なだけかもしれないぜ?
・・・それでもいい!・・・
もう黙ってろ、イ・ソンジュン!
動揺を隠すように、
「ところで図書館で何を探すの?」
と話題を振ると、
「小説も借りたいんだけど、
幼児向きのイラスト集なんかを
見てみようと思って。
買う前に参考になるでしょ。」
そうなんだ、と返事をしたソンジュンの膝に、
ユニがそっと手を置いた。
「でもね・・・ソンジュンさんとどこか一緒に行きたいって
思ったの。行き先が図書館だけど・・・
付き合ってくれてうれしいの。」
ユニの手が置かれた膝が熱い。
ソンジュンはユニの小さな手を取り上げ、
前を向いたままその手に唇を当てた。
キャッと小さく叫ぶ声。
それでもユニの手は逃げないし、
ソンジュンは手を握ったまま
また自分の膝の上に戻した。
ほら見ろ。
ユニさんは分かってないかもしれないけど、
俺と一緒にいたいとは思ってくれてるんだ。
がつがつしちゃダメだよな!
図書館の後で、どこかでお茶でも飲もう、と
前を向きながら微笑むソンジュンに、
うれしい!とユニも手を握り返した。
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