㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
本筋とは全く関係ありません。
一緒にお茶でも飲もうよ、と誘った午後。
ユニを車に乗せて、景色のいい漢江沿いまで
走り、開放的なカフェで並んで座った二人。
正面に座るのも、
ユニさんの顔が見れていいんだけど、
こうやって横に座ってくっついてるのも
恋人って感じでいいよな!
とヨンハはご機嫌だ。
それにヨンハにはほかにも目的がある。
今も椅子をぴったりとくっつけ、
寄り添うように座っている二人。
大ぶりのカップにたっぷりのカプチーノ、
一口サイズのマフィンを楽しむユニの腰に、
ヨンハの手はしっかりと回されている。
くっつくだけが目的ではない。
腰に回した手は微妙に力加減がされ、
最初のころとは違う、
はっきりと抱かれている、という感覚を
ユニに与えるようにしている。
頬杖をついてユニの顔を眺める笑顔は
爽やかな美青年そのもの。
しかし、その視線も、最初のころとは
違う熱を持ってユニを見つめている。
ちゃんとユニに分かるように。
手を繋いでいても、
ただ握っているだけではない。
強く握ったり緩めたり、
指でユニの手の甲を撫でたりする。
今も、頬杖をついていた手を、
両手で持っていたカップをことんと置いた
ユニの手に沿わせ、親指で優しく
一本一本の指をたどっていくのだ。
ユニの頬がほんのりと染まる。
ヨンハの親指の優しい感触が、
たどられている指先だけでなく、
そこから腕を駆け上がり、
胸の鼓動を早くさせ、
ユニの頬を上気させる。
「あの・・・ヨンハさん・・・?」
なんだい、とユニを見つめる瞳に、
ユニは俯いてしまう。
「あの・・ね?
みんなに見られちゃいます・・・。」
何を?と微笑みながら聞かれると、
ユニは言わなければならない。
「あの・・・ね?
こんなにくっついてたら・・・
人の沢山いるところで・・・
恥ずかしいもの・・・。」
どうして?と不思議そうな顔がわざとだなんて、
ユニには分からない。
「俺とユニさんとは恋人だろう?
くっつくのは当たり前だよ。
恥ずかしがることなんかないさ。」
そうなんだけど、とユニはますますはにかむ。
「だって・・・ヨンハさんが素敵でしょ?
みんなに見られたら・・・
ヨンハさんのことを好きになる女の人が
いるかもしれないでしょ?
そんなの・・・困るもの・・・。」
ユニの意志とは反対に、
ヨンハの手はユニの手をギュッと握ってしまった。
腰に回した手も、力がこもって
身体がヨンハの方へと引き寄せられる。
「うれしいなあ!感激だ!
ユニさんがそんな風に思ってくれるなんて!」
じゃあ、と耳元で囁かれて
ユニの頬は薔薇色に染まった。
人のいない所なら
もっとくっついていいんだね。
あの、やだ、そんなつもりじゃ、と
うろたえるユニを、ヨンハは今日はここで
カンベンしてやることにした。
少しずつスキンシップを深めて、
少しずつ快感を覚えさせて、
ユニが怖がらないように、
ユニがヨンハを求めてくれるように、
ヨンハはもって行くつもりなのだ。
キスにはようやく慣れてきたユニ。
昨夜もプレゼントをもらうよ、と
ユニのマンションの部屋の玄関で、
たっぷりとユニの香りを味わった。
最初は額にしか触れられなかったのに。
唇に触れた時も、本当にそっとかさねた
だけだったのに。
ユニは知り始めている。
キスをすると頭がぼうっとすること。
身体がほんのりあたたかくなり、
胸が高鳴ること。
そして、どんどんキスしてほしくなること。
一度重ねてしまうと、
なかなか離せなくなること。
身体じゅうが疼くこと。
まだ先は長い。
ゆっくりと教えてあげないと。
そして
俺と離れられなくなるほどの歓びを
最後にはじっくり教えてあげるから。
少し散歩しようか、と
ヨンハは腰を抱く手を離し、
優雅な仕草でユニにコートを着せかけると、
カフェ中の視線を浴びながら、
ユニの手を取って
店から出て行った。
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