Crazy for you~帰還 その24 カラユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  本筋とは全く関係ありません。


 目が覚めた時、ソンジュンはユンシクの
 ベッドの横に敷かれた布団の中にいた。

 上半身は、裸。
 下半身は、パンツ一枚。

 驚いて周りを見ると、
 あちこちに脱いでは放り投げたらしい、
 自分の衣服が散乱している。

 頭が重い、とこめかみを押さえながら
 スマホを探し、時間を確認すると、
 まだ朝の5時半。
 隣のベッドでは、ユンシクがすやすやと寝ている。

 記憶は、この部屋に帰ってきたところで
 なくなっている。
 どうやって布団に寝たのかも覚えていない。

 『ソンジュンさん。』

 と何度もユニに呼びかけれられたのは
 現実なのか、夢なのか。

 『いい子だから、お布団で寝ましょうね…』

 そうか・・・それで俺は・・・
 ここに自力で来たんだな・・・。

 それでも何か大事なことが 
 抜け落ちているような気がする。
 思い出さなければ、ソンをする、
 そんな大事なこと。

 頭が働かない。
 それに・・・酒クサイ・・・。
 とりあえず
 熱いシャワーだな・・・。

 常に置いてあるボストンバッグを、
 ユンシクの部屋の隅から引き寄せる。
 中には、いつも入っている、
 下着一組、一回分の上下の着替え。

 それを持って、ソンジュンはそっと部屋を抜け出た。

 リビングもキッチンも薄暗い。
 まだユニも寝ているようだ。

 顔を上げてまともにシャワーを顔に当てる。
 髪もごしごしとしっかり洗う。
 身体も二回洗った。

 何かあったんだ。
 ユンシクの部屋に行く前に
 何か

 思い出せないまま、
 ソンジュンのシャワータイムは終わった。

 ユンシクの部屋に戻り、脱ぎ散らかした服をたたむ。
 今日はダメだ。
 持って帰って家で洗ってもらおう。

 そう思った時、
 扉がそっと開いた。

 「あ・・・ソンジュンさん起きてた・・・。」

 髪を下ろしたままのユニ。
 着替えただけの状態で
 様子を見に来たのだろう。
 
 「気分は・・・?
  まだ寝てていいのよ、早いから・・・。」

 そう言って扉を閉めたユニ。
 ソンジュンはぐっすり眠ったままの
 ユンシクを確認すると、
 音もなく扉をすり抜けて、
 洗面所へと行こうとしている
 ユニを追った。

 捕まえたのはリビングの端。
 驚いたように振り向くユニを
 軽く抱きしめ、
 昨日はゴメン、とソンジュンは謝った。

 「びっくりしただろ・・・。
  先輩に勧められて、断れずに飲んじゃった・・・。
  恥ずかしい酔っ払いの姿を
  見ちゃったよね・・・。」

 うふふ、とユニが笑う。

 「でも、ソンジュンさんは自分の足で
  お布団まで行ったわ。」

 ユンシクなんか、子供みたいに
 運ばれて、とまたユニが笑う。

 「・・・でも・・・俺・・・覚えてないんだ。
  そんなに酔っていたのに、
  よくユニさんのいう事を聞いたよね・・・。」

 あ、と言う声が漏れたので、
 ソンジュンは思わずユニの顔を見た。
 ユニは真っ赤になっている。

 「俺をどうやっていう事きかせたの・・・?」

 「・・・お布団で寝ましょうね、って言ったら
  ちゃんと寝に行ったわ・・・。」

 ますます赤らむユニ。
 ソンジュンは知りたくて仕方がない。
 自分の事やユニのことで知らないことがあるのが
 絶対に許せない、と思ってしまう。

 「酔っ払いの俺が、そんな優しい言葉だけで
  動いたとは思えないなあ・・・。
  どんな魔法の言葉を使ってくれたんだい・・・?」

 がっちりとユニを抱えたソンジュンの腕は
 離れない。
 まだ顔も洗えていないユニは、
 それも恥ずかしくて、腕の中で身を捩った。

 「ねえ・・どうやって・・・。」

 なおも聞くソンジュンに、
 ユニはそっと背伸びをして囁いた。
 洗い立ての爽やかな男の香りがする。
 そのソンジュンに効く、
 一番の魔法の言葉を。

 いい子にしていう事を聞いたら・・・
 キスしてあげる、って言ったのよ・・・

 ソンジュンの目が見開く。
 耳元から唇を離したユニも
 少し赤らんだ頬でソンジュンを見つめた。

 それで・・・?
 俺は・・・いい子だったかい・・・?

 赤い顔のまま、ユニが微笑む。

 とても。
 だから。

 押し当てられる唇。
 しばらく固まっていたソンジュンは、
 ゆっくりと目を閉じた。

 唇が触れあうだけのキス。
 それでも、幸せな朝。

 顔を洗ってくるわ、と
 離れていくユニを見つめながら、
 
 俺は
 ずっといい子にするから

 とソンジュンは心に誓ったのだった。

 

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