Crazy for you~帰還 その15 カラユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  本筋とは全く関係ありません。


 ソンジュンの胸の中でしばらくぼんやりしていたユニ。
 ユニの身体が落ち着いたところで、
 ソンジュンはベッドから抜け出し、
 部屋の棚の上に置いてあったバスローブを
 羽織ると、小さな窓を少し開けた。

 小雨になってきている。
 下の道を通る車のタイヤが立てているのは水音。
 少しかがんで窺った高速道路を行きかう
 車のライトも、速度が速いことを物語る。

 シーツを胸までたくし上げたユニが、
 やんだ?と聞いてきた。

 「降ってるけど雨だ。
  大丈夫。帰れるよ。」

 そう、よかった、心配かけるもの、と
 ユニが言ったのをきっかけに、
 ソンジュンは自分のスマホとユニのスマホを
 取り出してベッドに戻った。

 ソンジュンはユンシクに、
 ユニはユニの母に電話をかけようと相談して、
 二人はスマホを持った。

 嵐のような霙に遭ったから、
 無理に運転せずに、待機していたこと。
 ようやく雨に変わったので、そろそろ出発すること。

 「ソウルはどうだい?」

 『ん~、さっきまで雷が鳴ってたけど、
  今は雨が降ってるだけ。
  こっちは大丈夫だよ。』

 気を付けて帰ってきなよ、といったユンシク。

 『家についたら、遅くてもいいから連絡頂戴。
  メールでいいからね。』

 といったユニの母。

 ちょっとだけ後ろめたい嘘つきの二人。
 でも、はっきりといえることでもないし、と
 ユニはソンジュンにもたれ、
 ソンジュンはユニを抱き締めた。

 ちょっとした共犯者の気分。
 それも何だか楽しい。

 「シャワー浴びよう。」

 ソンジュンは立ち上がり、
 ユニのバスローブをベッドに運び、
 二人の脱いだ服を、ベッドの上にのせた。
 ユニが慌てて自分のものをかき集める。

 キャッと言う声。
 かき集めるのに夢中で、
 バスローブも羽織っていない上半身が、
 シーツを持つ手を外したために
 露わになってしまったのだ。
 気づいたときには、ソンジュンはしっかりと目撃。

 かき集めた服を抱きしめたユニに、ソンジュンは
 キスをした。
 そしてバスルームへと向かう。

 かわいいなあ、ユニさんは!
 さっきはだかんぼうだったのに、
 今更少し見えたって・・・。

 そろそろ出発すると言った手前、
 早くしなきゃ、とさっとシャワーを使った。

 ユニのシャワーを待ち、
 髪を編み直すのを待ち、
 化粧を直すのも待っていたソンジュンは、
 その間、スマホで天気予報を調べ、
 メルヘンチックな室内を見ないように、
 ジャケットのポケットから本を出して来て
 読んでいた。
 女性の準備は時間がかかると母から
 以前教えてもらったが、
 ユニを待つのはそれほど苦ではなかった。
 薄化粧だということと関係あることは
 ソンジュンは全く分かっていないが、
 今までも待ちくたびれたという感覚はなかった。

 ユニにべた惚れだという理由も大きいのだが。
 ユニが何をしても、許してしまう自分に
 ソンジュンはまだ気づいていない。

 ユニも急いだのだろう。
 小走りでバスルームを出てくると、
 ソンジュンの胸にポン、と飛び込んだ。
 お待たせしました、と言いながら、
 くるんと頭をめぐらせ、
 まあ、かわいい部屋ね、と笑う。

 ピンクとベージュが基調の内装。
 カーテンはフリルが一杯使われ、
 テーブルも椅子も、ベッドボードの彫刻も、
 何だかお城の家具のようだ。

 ユニさん、こんな部屋や家具が良ければ、
 俺が・・・と言いかけたソンジュンに、
 
 ソンジュンさんがいれば、どこでもいいわ
 
 とユニが微笑んで、
 ソンジュンの頭をくらくらとさせた。
 


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