Heart Beat~パーティ! その17 カラユニパラレル~ | それからの成均館

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『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルのパラレルです。
  本筋とは全く関係ありません。


 「やっぱりおかしい?」

 眉を下げて聞くユニと、
 ますますきまり悪そうに横を向くソンジュン。

 ソンジュンの気持ちを分かってあげてよ!

 と、ソンジュンを少し気の毒には思うが、
 見ている側としては、こんなに面白いことはない。

 綺麗な恋人を他の男に見せたくないソンジュンと、
 寒いから上着を着せられていると思っているユニ。

 笑うユンシクを、恨めしそうにソンジュンは見た。

「おかしくないよ、姉さん。
 とっても綺麗だ。
 後で写メ撮らせてよ。
 母さんに送らなきゃ!」

 そうよ、そうだったわ、とユニも手を小さくたたいた。

 そうだ!
 俺もユニさんの写メを撮らなきゃ!

 ユンシクのおかげで大事なことを思い出したソンジュンは、
 ようやくまっすぐにユンシクを見て、
 紙袋を渡した。

 「サンキュ、ソンジュン。
  これでミンジュさんに恥ずかしい思いさせなくて済むね!」

 中から取り出した花束は、黄色とオレンジの花で
 彩られていた。
 そして紙袋から二枚のチーフを取り出したユンシク。

 「電話では、カナリア色って言ってたんだけど、
  どっち?」

 手違いがあっては困るので、
 ユニはユナに言って、ユンシクがエスコートする
 チョン・ミンジュの番号をユンシクに知らせていた。
 それでミンジュも安心したらしく、
 今日の待ち合わせや、父親がタクシーを出すことも
 ユンシクと直接メールをしていたようだ。

 「この鮮やかな方が近い色だわ。」

 とユニに教えられて、ユンシクもチーフを胸ポケットに挿した。
 もともと色白で美しいという形容詞のつく容貌のユンシク。
 一度に華やかな雰囲気を纏わりつかせた。

 使用しない方のチーフを、ユニがクラッチバッグに預かり、
 三人でゆっくりお茶を飲んだところで、
 先にユンシクが立ち上がった。

 「あと5分ほどでミンジュさんが来るんだよ。
  ロビーで待っておくよ。」

 「ユンシクのことがわかるかしら?」

 心配するユニに、ユンシクはにっこりと笑った。

 「ミンジュさんは写メを送ってくれたよ。
  僕も送っておいた。 
  姉さんそっくりだって、速攻メールで返信が来たよ。」

 じゃ、途中で助けてね、と言いながら、
 案外しっかりした態度で喫茶室を出て行ったユンシク。

 時計を見ると、開場時間が迫っている。

 「ユニさん、そろそろ行こうか。」

 ええ、と頷いて、ユニも立ち上がろうとした。
 それを制して、まず、ユニにかけていた上着を外し、
 さっと羽織ると、ユニにボアのショールをかけてしまう。
 そしてタキシードのボタンをしめ、襟元を正してから、
 ブーケを取り上げ、ユニに手を差し出したソンジュン。

 「さあ、行きましょう、ユニさん。」

 立ち上がったユニにブーケを持たせる。
 カードで支払いを済ませると、
 ソンジュンはユニを肘に掴まらせて
 人の多くなってきたロビーに滑り出た。

 会場は3階の宴会場。
 エレベーターで上がると、
 ユニを導いてクロークへ行き、
 ユニのショールを預けた。

 ユニは目をみはるばかり。
 ソンジュンの肘に掴まっているだけで、
 ウロウロと目を動かさなくても済む。
 スムースに受付まで行ったユニは、
 卒業生名簿にチェックを入れてもらい、
 同伴者として、ソンジュンの名を書きこんだ。

 大きく開かれた会場の扉。
 入る前に、ユニは大きく息を吸った。

 恋人とここに来るなんて思っても見なかった。
 今横にいるソンジュンさんに
 恥ずかしくないレディでいられるかしら?
 いいえ、レディでいないと!
 ファイティン!ユニ!

 ソンジュンも空いている方の手で襟をすっと撫で、
 なぜか目を瞑って深呼吸しているユニを見た。

 ユニさんを守り切ってこそ、
 このエスコートは成功したと言えるんだ!
 望み通り手に入れたこの立場!
 ユニさんにふさわしく堂々と、
 ユニさんに誰も触れないようにしっかりと、
 俺はやりきるぞ!

 続々と正装のペアが入場していく。
 ちらちらとユニとソンジュンの方を見る
 者もいた。
 さりげなく見回しても、
 ユニに勝る美しさの女性などいないと、
 ソンジュンの胸ははちきれそうだ。

 ユニがソンジュンを見上げてくる。
 心の準備が整ったようだ。

 パーティの始まりだ

 ユニに囁いたソンジュンは、
 ユニの手がしっかりと肘を掴むのを確認すると、
 優雅な仕草で、大きく開かれた扉に向かった。



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