他人事ではありますが その2 | それからの成均館

それからの成均館

『成均館スキャンダル』の二次小説です。ブログ主はコロ応援隊隊員ですので多少の贔屓はご容赦下さいませ。

㊟成均館スキャンダルの登場人物による現代パラレル。

  ご注意ください。

 

 

 弟さんの事は放っといて。でもお母ちゃんが生きてたら、絶対目の保養だって店に見に出てくるよ~。お嬢さんとそっくりの美青年。で、素直。目の保養だけじゃなくって心も洗われます。私、さすがにこの仕事をして長いから・・・人生に多少擦れてるからね。まあ、ちょっとこの話はお仕舞いにして。

 

 お嬢さんはね、普段着だからなんだろうけれど、お高い服を着てるわけじゃないの。お手頃価格の量販店のものだと思うよ。でもお手入れが上手なのかいつも新品みたいに綺麗だけど。清潔感があったら大概の事はごまかせるしね。私らもそうして生きてきてるしね。でね、今日もいつもと同じような化繊のカットソーと白のアンクルパンツでご来店。足下はぺったんこのバレーシューズっていうやつ?良く似合ってるから出歩くのにどこも変じゃないのよねえ。で、楽しくお仕事の話をしながらカットをいたしましたわけ。で、トリートメントして、ドライヤーの前に地肌マッサージをして、ちょっとばかりお嬢さんの噂の彼氏の話でもぼろっとこぼれてこないかなと期待しつつ、今日も無理だなあ、やっぱり無理だった、とお会計になったところで、ご登場ですよ。

 

 今日は日曜日だから、お嬢さんも仕事がお休みでうちにご来店なわけ。でもその方はねえ、びしっとスーツ姿でご登場でございます。もうね、高級なものを見慣れていない私でも分る高級ブランドのもの、それかオーダーメイド。高級ブランドのオーダーメイド?どっちでもいいけど、大体あんなピッタリと身体に合ったスーツを着ている人なんてまあいないよね。吊るしのスーツなんか、袖丈やパンツ丈をちゃんと合わせても、どこか緩みがあるじゃない。隙がないスーツ姿ですよ。かっこい~。靴はぴかぴか、お顔はとっても優男。俳優さんでもいいんじゃないの。お母ちゃんの好きだったなんとかって言う俳優さんによく似てるかも知れない。天は二物も三物も一人の人に与えちゃうんだねえ。お嬢さんはさ、確かに美人さんでいい人だけどこっち側の人だから、財力的に。あ、でもそのうち財力も持つのか、じゃあお嬢さんも二物も三物も持つ人になるのか、うらやましい。

 

 又話が逸れちゃったけど。それで、彼氏が入ってきたわけ店内に。うちのドアベルをカランカランと鳴らして。あの安っぽい音を盛大に。で、お嬢さんを見て甘~い砂糖を吐きそうな顔で笑ったの、さっき言ったっけ、まあいいわ。そりゃ私もおどろいたけど、雑誌や画面の向こうでしか見たことのない顔がご登場だから。でもお嬢さんもびっくりしてるわけ、何々あんた達お約束してたんじゃないの、ああ、約束が有るならもうちょっとお出かけの格好してるよね、でも今日の格好でもショッピングモール位なら十分いけるんだけど。そんな事考えてたら「予定が一つキャンセルになってさ、今日はもう仕事が終わりになったんだよ、で君に電話したんだけど出なくて、そりゃ美容院にいるときはスマホはバッグの中だよね、でテムルに君がどこに行ってるのか聞き出してさ、来ちゃった。」ですって。まあ甘~い砂糖を吐きそうな顔で・・・ああそれこそついさっき言ったわねえ同じ事・・・でもそんな顔でひょいとお嬢さんの側に寄って腰に手が回ってるわけ。ホントだわ着信入ってる気が付かなくってごめんなさいお仕事早く終わってよかったわねいつも忙しそうで心配ですもの、なんて一生懸命喋っているお嬢さんの、お手入れしたばかりの髪を撫でてすくい取ってまあ甘~い砂糖を吐きそうな笑顔で・・・また言っちゃった・・・チュって!髪にチュって!「すてきだよ、綺麗にして貰ったんだね、いつも君の髪は綺麗だけど、こうやって手入れして貰ってたんだ、良く似合うよ、このままデートに行こうか、最近どこにも一緒に行けてないからさ。」じゃあ着替えに戻るからってお嬢さんが当然言ったんだけど、そこがお金持ちの違うところなんだろうねえ。そのまま行こう、そうだ君に似合う服がある店があるんだ丁度季節の変わり目だから何かそこで見つけたらいいほらほら行こう、君と一秒でも長くいたいんだけど俺。

 

 慌ててるお嬢さんは攫われるようにお車に連れ込まれましたよ。私にできたのは、ありがとうございましたまたのお越しをお待ちしていますって頭を下げることだけだったんだけどね。はあ、お母ちゃん聞いてくれてありがと、すっきりしたから夕ご飯を作るわ。

 

 

にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村