最終話 駆け抜けた青春の日々 | 父親に恵まれなかった僕が考える『カッコいい親父の背中』の作り方

父親に恵まれなかった僕が考える『カッコいい親父の背中』の作り方

借金を作って蒸発してしまった父親と
独特な教育論を持った母親と、
いつでも青春真っ盛りな僕がおりなすストーリーです(^^)

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【前回までのあらすじ】

相方「一緒にお笑いやろうぜ」
しぶしぶOKをしたのだが、相方の目標がデカすぎる…
相方「M-1グランプリ!」


人見知りで人前には立ったことがない。
お笑いなんて未経験、芸人さんのネタすら碌にしらない飢男。


お笑い大好きでも、漫才経験は文化祭のみ、
お調子者でアツい男、相方。


デコボココンビのカイワレダイコンが
いくつもの解散の危機を乗り越えて、
ついにM-1グランプリの会場に辿り着いた!


ネタは無事にやり終えた。
あとは結果を待つのみ!


最終話 駆け抜けた青春の日々


舞台から降り、控室に戻るとすぐに、
相方が崩れ落ちるように倒れた。


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相方「飢男…飢男…」



何かを言いたそうに僕の名前を連呼するも、
後に続く言葉が出ないように、悔しそうな表情を浮かべていた。




僕は、何と声を掛けて良いかわからず、
ただ黙って相方を見ていた。




時間合わせのために僕が突然入れた、
アドリブとも打ち合わせ通りとも言い難いネタのせいで、
相方のペースを完全に崩してしまったせいだ。




僕がもっと早くに時間に気付いていれば…
いつも通りのペースでネタをしていれば…




ネタ飛びした相方よりも、自分への叱責しか浮かんでこなかった。
心の中で自分を責め続けていると、だんだん泣きたくなってくる。




俺のせいで…俺のせいで…




その瞬間、相方が急に叫んだ。



相方「ちくしょーーーーーーー!!」




顔を真っ赤にして、涙を流しながら、
何度も何度も床を殴り続けていた。



そんな相方を見て、僕は逆に冷静になった。
相方をなだめなければ…ここで一緒に崩れちゃダメだ。




まずは、部屋のど真ん中で崩れている相方を部屋の隅まで連れていった。




そして、慰めの言葉を投げかけようとした…が、大丈夫以外の言葉が出てこない。




飢男「大丈夫だから。相方、ほら、大丈夫だから。」


相方「飢男…俺、俺…時間…ネタ……俺…」


飢男「大丈夫、大丈夫。相方、大丈夫だから」


相方「でも…でも…俺…ネタ…」




大丈夫しか言えない自分に少しイライラしながらも、それを言い続けていた。

すると、後ろから声を掛けられた。


「あらら、大丈夫~?」

「ネタ失敗しちゃったの~?」


振り返ると、一瞬で終わったはずの一目惚れの相手
綺麗なお姉さん(と、柳原加奈子似の子)がそこにいた。



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その声に反応して、相方は肘で顔を隠して黙り込んだ。


お姉さん「失敗しちゃったのかな?」

加奈子「大丈夫だよ、うちらも失敗しちゃったし~」

お姉さん「それだけ真剣だったってことでしょ?」

加奈子「確かに!君たち学ランってことは高校生?」



絶望に満ち溢れた空気が、二人のテンションによって紛らわされた。
「大丈夫」以外の言葉が出てこない僕にとって、二人は天使に見えた。




飢男「そうです、二人とも高3です。」

加奈子「わっか~い!って言っても2つ下だけど(笑)」

お姉さん「私なんて今年25だから、いくつ下になるんだっけ?」

加奈子「7つじゃないっけ?うちと5つ違いっしょ?」


どう見ても加奈子の方が老けていたので正直意外だったが、
当然口にはできなかった。




お姉さん「それよりさ、上行かない?」

加奈子「そうそう、もうちょっとしたら洋七さんの講評聞けるらしいよ~」


その言葉を聞いて、相方は完全復活した。
洋七さんの言葉を聞きたいという気持ちが強かったらしい。




相方「それ、マジっすか?」

お姉さん「お、復活したね!マジだよ、去年もそうだったし」

加奈子「多分あと3組後くらいじゃないかな?」

飢男「じゃあ行こう!」




客席から見るネタは、最初に見たときと違って気楽なものだった。
自分たちの出番が終わった後は、素直に楽しめた。


2組のネタを見た後、遂に洋七さんの講評を聞くことに…




ネタ自体の完成度は、どれもかなり高い。
去年よりもレベルが高くなっているし、M-1の知名度が上がっていることを実感する。

ただ、少し残念なのは地方のネタを出している組はほとんどなかったことですね。
中央局がある関東や、笑いの本場である関西は地方ネタはできないんです。

でも、福岡の人なんだから、方言ネタや、明太子や豚骨ラーメンみたいな特産品を出せば
それだけでも他の地域の芸人さんとは、簡単に差別化できるのに。



非常に勉強になる講評をいただいて、いよいよ結果発表。




一組ずつ、番号とコンビ名が呼ばれていく。





手を合わせて祈る僕と相方の願った。




神様に、一生のお願いもした。




しかし、僕たちの願いはむなしく、番号は飛ばされてしまった。




僕たちがM-1に掛けた情熱は、審査員には届かなかった。




相方と初めてまともに会話してから1ヶ月半。

ほとんど寝ずに過ごした1ヶ月半。

たった1ヶ月半かもしれないが、僕たちは常に全力投球だった。




結果は届かなかったが、やれることは全てやった。

悔しさはあったけど、後悔は1つも無かった。




僕たちが駆け抜けた青春の日々は終わりを告げた。



~Fin~




というわけで、M-1大会出場編はここまでです(・∀・)ノ


後日談は、需要があると感じたら書いていこうと思います(笑)



お姉さんたちとのその後はどうなったのか?

途中から空気だった生徒会長はどうなったのか?

次の年のM-1には出場したのか?

相方のその後はどんな感じなのか?



等々、ネタはまだまだありますが、どこから手をつけていいものやら(^^;)




最後までお読みいただいて、
ありがとうございました♪


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