何で電車が好きなの?
鉄道のどこが楽しいの?

そんな質問を、今でもよくされます。

「う~ん・・・」自分でもよく分かりません。
でも、好きなものは好き、それで良いと思っています。
何か理由付けしてしまうと、嘘も入って来そうで嫌なんです。

ただ、元々の鉄道好きを、更に大きく成長させてくれた要因は沢山あります。

鉄道に乗ることに目覚めさせてくれたのは間違いなく、紀行文作家の故宮脇俊三先生です。
宮脇先生の本に出会ったのは、高校二年生の時でした。
母が新聞で見付けた「時刻表2万キロ」という文庫で、夏休み前にプレゼントしてくれました。

僕は本などを読まないおバカ高校生でしたので、「本かあ、めんどくせ」っていうのが最初の正直な感想でした。
しかし、読み始めると止まらなくなりました。
国鉄全線の完乗を目指す姿への共感というか憧れがあったのかも知れませんが、きっと先生の文章が、僕を色々な所へ連れて行ってくれていたのだと思います。

それからは、次から次へと宮脇先生の本を読みました。
読む度に刺激を受けては、自分も積極的に旅行に行くようになりました。
先生の見た景色が見たくて、車窓の見方もだいぶ変わったと思います。

今日2月26日が、宮脇先生の命日になります。
8年前の朝「最近先生の新作を見ないなあ」と思っていた矢先の訃報でした。

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亡くなってからは、こういった特集号が発売されたりもして、暫くは寂しさを紛らわす事ができました。

命日を迎えるにあたって、久々に「時刻表2万キロ」を読もうかと本棚を探しましたが、なぜか見当たりません。
鉄道好きの友達には「これいいよ」って何度かプレゼントをしているのに、自分の手元に無いなんて(泣)
仕方がないので「最長片道切符の旅」にピンチヒッターを務めて頂きます。
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この本も、何度も何度も読みました。

「はやぶさ」や「さくら」「みずほ」などのプレス試乗会に、先生の姿が無いのがとても残念です。
新青森駅や鹿児島中央駅に降り立った先生は、どんな感想を抱くのだろう。
昨今の鉄道事情について聞きたい事が、まだまだ沢山あります。

先生があちらの世界でも鉄道旅行を満喫されていることを願って、黙祷。(石)