映画「ホームレス中学生」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「ホームレス中学生」

もしかしたらこれ今年一番泣けたといえるかも、NHKの解体新ショーへの出演やお笑いコンビ麒麟のイメージではなくて、~映画作品自体として感動がある~

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住む家があること、毎日食べるものがあること、毎日でも入ろうと思えば入れる風呂があること、そしてかけがいのない家族がいること、そんな誰にも当たり前に思えることが、実はどんなに幸せなことか、思い知らされる・・・・そんないつもと変わらずにあるはずの日常から中学2年生にして突然放り出されたら~他人事ではない、遠い国のお話でもない、いまやすぐ身近なところでリストラ、倒産、ワーキングプア、ネットカフェ難民、ファミレス難民、バーガー難民と、目を向けたくない事実も確実に広がりを見せている。
主人公の田村裕(小池徹平)は1学期の終業式の日、女の子から夏休みの映画デートに誘われ、天にも登るウキウキ気分の有頂天で帰宅すると、家具共々荷物が積み出され家は差し押さえの憂き目に、父(イッセー尾形)は逃亡、兄の田村研一(西野亮廣)に姉の田村幸子(池脇千鶴)とも離れ離れに、訳の分からないまま夏休みの公園で文字通りのホームレス1週間、近所の子供と縄張り争い、自販機の下の小銭を集め、水でお腹を一杯にし、鳩の餌を横取りし、雑草からダンボールまで食し・・・・自分の考えの甘さ、惨めさを思い知り精根尽き果てそうな時、偶然会った友人にすべてを告白、川井家(宇崎竜童田中裕子)や周囲の人々の親切に救われる。
食卓に並んだ御飯からも味噌汁からもメンチカツからも、美味しさの幸せが込み上げてくる。久しぶりに入ったお風呂の茶色い流れ、もの凄い実感だよね、兄や姉とも再会し貧しいながらも暖かな家族の団欒も取り戻す。泣けるポイントは他にもある。今は亡き幼少の頃の母(古手川祐子)との思い出、母の死が受け入れられずに苦しんだこと、反抗期を優しく包んでくれた兄と姉の存在、父親は一体何をしていたんだって思いもよぎるけど、世の中は捨てたものではない、日々の幸せを噛み締める、そんな大切さを教えてくれる映画です。

ホームレス中学生