映画「百万円と苦虫女」 | 茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~

映画「百万円と苦虫女」

海の家から山の桃園・・山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいふ、ああ、われひとと尋めゆきて・・苦虫女の行くところ、涙と恋に辛い体験そして気持ちいい風・・

百万円と苦虫女 百万円と苦虫女

鈴子(蒼井優)は就職を失敗してのフリーター、しかし、拾ってきた可愛くて可哀そうな子猫ちゃんを捨てられたからといって、腹いせに他人の荷物を全部捨てるなんて、なんて激しい女なんでしょう、可愛くて大人しそうなのに有り得ないでしょ、でもそういうところが苦虫女たる所以なのかもしれないですね、ともあれ有罪は確定し、20万円の罰金支払と拘置所生活を勤め上げ出所、家には居づらくなって流浪の旅に出る・・行く先々で素朴で心優しい人々に出会うのに、頑なに心を閉ざす彼女は百万円を貯めるとさっさとまた自分を探さない旅へと出て行ってしまう、海の家のユウキ(竹財輝之助)も桃園の春夫(ピエール瀧)も置き去りで可哀そう、でも転機が訪れるのはホームセンターでの亮平(森山未來)との出会い、そして弟拓也(齋藤隆成)との手紙のやりとり、ちょっぴり泣かせるエピソードになっている・・
でも、亮平の行動については納得しがたい、鈴子が誤解するのも当然でしょう、お互い理解しあい前科も洗いざらし話して肉体関係まで進んだのに・・エンディングでのすれ違いは、生まれ変わった鈴子の希望に満ちた新たな旅立ちを暗示しているようだけど、あの二人にはあそこで再会を果たして欲しかった、幸せな笑顔を見たかった・・それでもこの映画の見所は蒼井優そのものですね、相手は次々と変わっても最初から最後までじっくりと素晴らしい彼女を観ることのできる映画です・・  百万円と苦虫女