便の性状を確認する時、臨床では色々なパターンがある。
一番確実なのは、おむつ交換している患者さん。
おむつ交換時にチェックできるので、看護師が確認しやすい。
確認する力はもちろん看護師のスキルによる。
自分でトイレで排泄している患者さんの場合は、2パターン。
患者さんからの自己申告か・・・
もしくは、看護師が聞いて排泄時に確認するパターン。
おむつ交換している患者さんの場合は、どんな疾患の患者さんでもチェックできる。
しかし・・・
自分でトイレで排泄している人の場合はどうだろうか。
その場合「おや?おかしいな?」とか気づいて看護師に伝える人もいるかもしれない。
でも・・・・
仮に、入院した疾患が直接下血に繋がらない疾患だったらどうだろうか。
例えば・・・「上肢の骨折で手術の患者」とか。
その人が下血していても「これはだいぶ前からあるんだよね」と思ってれば
看護師に言わないかもしれない。
そもそも、下血と認識してないかもしれない。
痔だと思ってるかもしれない。
看護師はどうだろうか・・・・
骨折で入院した自立している患者さんに、便の性状まで聞くだろうか。
というわけで、おむつチェックしている患者さんは、発見しやすいが、
患者さんが自立してトイレで排泄してたり、直接下血に直結した疾患ではないと
発見が難しいケースもあるってわけだ。
そういう意味では下血はやはり、体の表面の出血に比べたら、わかりにくい
ことになるだろうね。
黒色便(タール便)について。
<その便が本当に黒色便かどうかの判断は、実は結構難しいこともある>
9年間患者さんの便を見てきた自分だけど・・・・
「う~ん これ黒色便かなぁ・・・」迷うことはあるね。
経験を積んでも、100%便を見ただけでは判断できない時はあるね。
なので、新人看護師が判断に迷うことは多々あると思う。
で、自分の黒色便の見分け方だけど・・・・
まずは、ぱっとみの色だね。
それが黒いか・・・黒っぽいか。
ここが結構難しい。黒っぽく見えて黒じゃないことも結構ある。
そんな時は、明るいところで見る事。暗いところだとよくわからないことがある。
黒色便(タール便)の場合、本当に黒い。黒色便じゃないと、緑茶が強かったりする。
そして、便をおむつの上で、薄く延ばしてみる。
そうすると・・・・さらに色がよくわかりやすくなる。
伸ばした時に佃煮の海苔(ごはんですよ みたいなやつね)
みたいにねっとりしてたら、可能性が高い。
そもそも、タールが何かしらない人もいるし、見たこともない人もいるので・・・
タール自体をネットで検索したほうが良い(笑)
アスファルトの素とかになってるやつね。
パッと見が黒っぽい場合、次は匂いを嗅ぐ。(きついけどがんばれ( *´艸`))
匂いが、血生まぐさい匂いだったり、鉄っぽい匂いがしたら 可能性が高い。
ただし、鉄剤を内服している場合、黒くなるし、鉄っぽい匂いがするので判断が難しくなる。
鮮血の場合はもちろんわかりやすいよね。
血の色して、血生臭いから、患者さんも気づきやすい。
ただし、消化管出血か痔なのかの判断は難しい。合併もするしね。
その中間てきな便も実は存在する。
赤紫色っぽい便。便の中に赤紫っぽい色が見える。血生臭い。
これは、黒色に至らない便。
つまり、黒色にならずに排泄されてる。
ということは・・・・もしかしたら、出血量が多いかもしれない。
という可能性もあり。
経験上、上部消化管出血だとしても、黒色(タール便)にならないことはある。
この辺りのことについては次回に。
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