あの娘の面影がとめどなく溢れ出し 

うす曇った胸を真白に塗りつぶす

水しぶきが岸を越え 君の顔に降りかかる頃 

僕は震える霧靄を鎮め この胸は張り裂ける


 

その身体に触れたとたん たじろいで身を硬くする

永遠に凍りついた白い肉体が醒めた火をともす

真夜中にたたき起こされ 目の前が眩しく光る

ベッドの周りは 隙間なく取り巻いた冷酷な顔が


 

Sad song あの娘の声が響き渡る

Sad song あの娘の歌が聞こえてくる


 

やさしい風が吹き抜けて 閉ざした心開いていく 

 

 

(───「Sad Song」 詞/曲:大江慎也)

 

 

 

 

 


 

 

  はぃどーもこんばんわぁぁ。春だというのにさっぱり気が晴れません。困ったモノです。どうしても前向きに気持ちを切り替えられないんですよね・・・。


 

  さて。


 

  気分が落ち込んでいるときに、さらに落ち込むような(苦笑)コレを聴いています。'83年の10月リリースの通算4枚目のフルアルバム「DIS.」です。



 

  ガタつきはじめたバンド───。

 

  リーダー大江の不調は深刻、求心力を欠くバンドに嫌気がさした(と思われる)池畑潤二(Dr)が脱退しただけでなく、大幅なメンバーチェンジがありました。

 

 前回から引き続き、サポートギタリストとして下山淳と(一部の曲ではベースも担当)、キーボードで安藤広一が参加。そして脱退した池畑潤二に替わり、灘友正幸がドラムスとして参加しました。

 

 整理すると、大江慎也(Vo)・花田裕之(Gt)・井上富雄(Bs、Key)・下山淳(Gt、Bs)・灘友正幸(Dr)・安藤広一(Key)という6人編成のバンドになったワケです。しかし、一応正式メンバーはオリジナルの3人。もちろんジャケ写もオリジナルメンバーのみ。しかも意味深なのは、井上富雄だけは顔がまったく写っていない・・・??。

 

  さて。それまでの4ピースバンドから6人編成になったことで、当然(?)サウンド面も大幅に変化してしまいました。それまでは、ルースターズといえばストーンズやDr.フィールグッドらの影響があったのですが、コレはなんといったらいいのか・・・。セミアコースティックというか。よく言われるのはエコー&バニーメンやザ・テレビジョンあたりとの類似性。正直、サウンド自体がかなりパワーダウンという印象。浮遊感と陰鬱さが漂い、それでいて胸をかきむしるヒリヒリした肌触りというか・・・。アルバムが出た当時はファンの間ではかなり物議を醸したことと思います。

 

  大江の病状もかなり深刻だったようで、この頃にはギターを弾くどころか、歌うことも困難だったようです。正直アルバム全編を通して歌詞がかなりシュールで意味不明です。まるで別人のように歌い方もひ弱で、音程もかなりヤバいです。まさにアルバムタイトルどおり、大江自体も「解体」といった感じだったのでしょうか? そう感じざるを得ないアルバムです。ただし、アルバム全体のコンセプトが統一されていた感じではあるので、それはそれでいいアルバムだとは思います。ま、初期のルースターズとはまったく別バンドとなってしまいましたが A(^-^;) 

 

 
あ、余談ですけど、私のブログタイトル「HEART'S EDGE」は、このアルバムの一曲目のタイトルから取ってます。意味は判らないですけど(苦笑)。「ハートのかけら」とか「ハートのかたち」とか、そんなニュアンスなんですかね?

 

  しかし、バンド編成も決まり、新アルバムも出してさあこれから、というときにまたもやバンドの一部、まさに「ハートのかたち」が崩れてしまいました・・・。



 

  '84年1月。井上富雄、脱退。


 

  またもや、どうなるルースターズ・・・?。


 

 

   でわ。股。