これまで5年ほどソーシャルゲームの開発に携わってきて、こういうことを言うエンジニアによく出会います。

「もっと世の中の役に立つ物を作りたい。だからゲームは嫌だ」

ここで言う「役に立つ物」とは人の生活や仕事を便利にする物、みたいな意味でしょう。
今仕事で使っているようなソフトやツール、サービスなんかはそれに該当するものがいっぱいあります。
僕も前は同じようなことを考えていました。


ただ、果たして本当にゲームは役に立たない物なのか?
僕はそんなことはないと思います。
なぜなら世の中にはゲームを一番の楽しみに生活している人がいっぱいいるし、それに何十万というお金を注ぎ込む人もいるからです。
その人達にとっては生きる楽しみだったり、日頃のストレスを発散する物だったり、何かしら生きる上で必要な一つの役割を担っています。


ゲームは時間やお金をかける代わりに、楽しさや快感と言った体験を提供しているのです。
決してただひたすら課金をさせるために作っているわけではない。
(金を搾取している感じが嫌だ、とかもよく言われる)


これはゲームに限らず、エンターテイメント、娯楽と言った物は全てそうです。
これだけ欲している人が世の中にいっぱいいるのに、むしろ役に立っていないと言えるでしょうか?
確かに何かが便利になったりするわけではないですが、人々の生活を豊かにするという意味で、確実に役に立っていると思います。


「世の中の役に立つ」というのには色々な形があると思います。
だからゲームを作っている人たちは自分の仕事に誇りを持っていいし、「ゲームは役に立たない」と思っている人も改めて考えて欲しい。
そして作る側は自分たちは「楽しさや快感と言った体験を提供している」ということを忘れずに、常に面白い物を作ることを心がけましょう。