ハンガリーGP - 予選
豪雨に始まり快晴に終わった予選をロズベルグが制す
Jim
2016年7月23日
ハンガロリンクを雨雲が覆った23日(土)、2016年FIA F1世界選手権第11戦ハンガリーGP予選が実施され、天候変化が激しいセッションをメルセデスのニコ・ロズベルグが制してポールポジションを獲得した。
ピレリはハンガロリンクにミディアム、ソフト、スーパーソフトのドライタイヤ3種類を持ち込んでおり、各陣営は週末に認められた全13セットのうち10セットを自由に選択してグランプリに臨んでいるが、予選序盤は雨天用のタイヤが主役となった。スタート時間を目前にして雨脚が激しくなり、FIAは予選Q1のスタートを10分延期すると発表。さらに、10分の遅延を経て日本時間21時20分にようやくセッションが始まった。
予選までに実施された3回のフリー走行はすべてメルセデスドライバーがトップに立ったが、土曜フリー走行では最速タイムを刻んだロズベルグにレッドブルのマックス・フェルスタッペンが接近、0.002秒の好タイムを残している。
メルセデスとレッドブルのバトルに注目が集まった予選開始時のコンディションは気温20度、路面温度26度、湿度95%。スタート時間確定の一報を聞くとピットレーン出口には行列ができ、ウィリアムズのフェリペ・マッサを先頭に各車がコースになだれ込む。
しかしながら、全車が1回のアタックを完了する頃には再び豪雨が降り出し、Q1は13分08秒を残して時計が止められた。マシンがコースを走ると激しい水しぶきが上がり、視界がまったくない状態とあってレースコントロールは赤旗中断を決断している。約15分の中断を経てリスタートを迎えると、フェルスタッペンが真っ先にコースイン、その時点でタイムシート下位に沈んでいたメルセデス勢が続いた。
暫定12番手だったマクラーレンのジェンソン・バトンと1-2態勢を築くフォース・インディアの2台はガレージにとどまって様子を見守ったが、セルジオ・ペレスとニコ・ヒュルケンベルグはライバルに遅れてコースに入る。しかしながら、ザウバーのマーカス・エリクソンがタイヤバリアに激突して再びの赤旗が振られた。その間にも上空は晴れ間が広がり、路面温度が30度を超えて表面も乾き始めたが、およそ11分に渡って中断された後も引き続きウエットタイヤを装着するドライバーが大半だった。少しタイミングを遅らせたレッドブルやフェラーリはインターミディエイトタイヤを選択してコースへと送り出すも、縁石の水で足を取られたマッサがスピンを喫してガードレールに接触してしまい、三度の赤旗中断を強いられている。この時点でQ1の残り時間は5分20秒。
今度は8分間の中断を経て、まだ水たまりの残るコースに20台が入り、ひたすらにペースアップを目指すも、マノーのリオ・ハリアントがグラベルにはまってストップ。4度目の赤旗が振られた結果、レースコントロールは1分18秒となった残り時間を踏まえてこの時点でのQ1終了を宣言した。トップタイムとなる1分33秒302を刻んだのはロズベルグで、17番手以下のポジションでQ1敗退を喫したのはルノーのジョリオン・パーマー、マッサ、ケビン・マグヌッセン(ルノー)、エリクソン、マノーのパスカル・ウェーレインとハリアントだ。
日本時間22時19分にスタートしたQ2では16台がインターミディエイトタイヤを履いてコースイン。路面コンディションの改善も相まって、最速タイムが更新され続ける。ウィリアムズのバルテリ・ボッタスがスーパーソフトタイヤに交換したのをきっかけに、他のドライバーも同様に動き、Q2のラスト5分間はスーパーソフトタイヤでのアタックに切り替わった。
時間とともにタイムが改善されたQ2で予選を終えることになったのは11番手以下、ハースF1のロマン・グロージャン、ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)、ペレス、ライコネン、エステバン・グティエレス(ハースF1)、ザウバーのフェリペ・ナッサーだ。Q2ではフェルスタッペンが1分22秒660のトップタイムを刻んでいる。
予定より約1時間遅れて始まったQ3は太陽の光がさんさんと照り、ロズベルグが真っ先に動き出すと、チームメイトのルイス・ハミルトンや2台揃ってQ3にコマを進めたマクラーレン勢もアウトラップに向かった。フェラーリとウィリアムズはタイミングをずらし、ベッテルとボッタスが始動したのはQ2が始まって5分経過してからだ。
ファーストアタックを終えて、トロ・ロッソのカルロス・サインツを除く9台がタイヤを新品にして最後の予選ラップに臨むも、フェルスタッペンは時間内にアウトラップを完了できずにチェッカーを受けてしまう。さらに、マクラーレンのフェルナンド・アロンソがスピンを喫して黄旗が振られてしまい、すぐ後ろでアタックラップを走っていたハミルトンがバックオフを強いられてタイム更新ならず。ただ、アロンソがすぐに体勢を立て直して走行を再開したため、黄旗はすぐに解除され、その後を走ったロズベルグが最後に1分19秒965をたたき出してポールポジションを獲得した。
ラップをあきらめてピットに戻ったハミルトンが0.143秒差の2番手、リカルドが3番手に入っている。その他、トップ10に名を連ねたのはフェルスタッペン、ベッテル、サインツ、アロンソ、バトン、ヒュルケンベルグ、ボッタスだ。
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